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これからも、ずっと(リボツナハピバ2012)


足音も忍ばせてそっと開けた寝室、ベッドの上掛けが山なりになって、綱吉がそこにいるのはわかっている。
はあっと短くため息をついて、ベッドの端に腰掛けた。

「おいツナ」

薄暗い寝室の中リボーンの声が響く。
「いつまでふて寝してやがる」
ぴくりとも動かないその存在に尚も声をかけるが返事はなく。手にしていた薔薇の花束を卓上において、再び嘆息した。
事の起こりはリボーンと綱吉の誕生日、つまり昨日から今夜までの事。
リボーンは仕事に出ていて帰ってこられなかった。しかもその仕事は9代目直々の依頼で、ひいてはツナを守るための仕事ではあったのだ。しかしそれは本人には極秘の依頼で、綱吉の嫌う暗殺の類い。リボーンにはもっとも得意とする分野であり、さして時間もかかるまいと踏んだつもりだった。
綱吉が用意して待つリボーンの誕生日までには間に合わせる予定が…なかなかの大物にリボーンと言えどもそう簡単に終わらせる事が出来なかった。もちろん事情を知らない綱吉に連絡をとる事さえできずおそらく変な勘ぐりで不貞腐れていると言う状況で。
臍を曲げているに違いない恋人のために、道すがら花屋のワゴンの薔薇を買い占めて来たのだ。

「いい加減返事くらいしたらどうだ」

ギッと体重をかけておそらく顔があるだろう位置に手を伸ばす。本当に待ちくたびれて寝てしまったのかも知れない。
今なら本人に聞かれずに多少自分に似合わない台詞も言えそうで、リボーンはふっと息を吐いた。

「悪かったな、ツナの誕生日まで間に合わなくて…言い訳なんざしたくねぇから言わないが、おまえの事は誰よりも大事に思ってきた。まだ、お前が弱っちぃチューボーの頃からな。だから、お帰りくらい言え」

「…お帰りなさい、リボーン…」

予想に反して背後の扉から姿を現した綱吉に
リボーンが振りかえる。

「あ?」
「俺そこにいなかったよ、それにも気づけないほど疲れてるって
気づきなよ…馬鹿リボーン」

眉尻を下げて、泣きそうにも見える綱吉がリボーンに近寄ってく
る。

「2日も音沙汰なくて、おれがどれだけ心配したと思って…」
「悪かったな…」

悲しそうなその顔を見ていられなくて、リボーンは綱吉の手を引いて抱き寄せる。
自分の胸に抱きしめながら、うつ向く綱吉の髪に口づけてもう一度悪いと呟いた。

おそらく余り寝ていないその頬を撫でて上向かせると、自然に目を閉じた綱吉に少し屈んでキスをする。

「リボーン…誕生日おめでとう…」
「BUON COMPLIANNO ツナ」

ボルサリーノを片手で外して口づけながら、さらに深く舌を探ると
綱吉もリボーンのネクタイに指を通してするりと外す。

「俺のためなんだろ…帰れなかったのも…。言えないなら聞かないから、ちゃんとここに帰ってきてくれよリボーン」
「ああ、約束する…」

何があっても、きっと…
ここに。



あと一日くらい徹夜しても大丈夫大丈夫!

勘繰ってふて寝ではなく、心配しすぎてなツナがいとおしいリボーンさんでした。
お誕生日当日にUP出来なくてごめんよー(;へ;)
リボーンから僅かに香る硝煙の匂いとかで気づけばいいね。



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