1827 膝枕 1827←獄視点 なんて優しく触れるのだろうと、その仕種に見入っていた。 眠るそいつを膝に抱いて、にこやかに微笑む俺達のボスは… 雲の守護者雲雀恭弥が大好きですと身体中から溢れているようで、いつも見ているこっちが恥ずかしくなる。 「十代目(小声)」 「なぁに隼人(ヒソヒソ)」 「こんなとこでいつまで膝枕してんですか、貴方が風邪ひいてしまいますよ(小声以下略)」 「大丈夫…ヒバリさんあったかいから」 ボンゴレ邸から少し歩いた庭の中、風も冷たくなってきていると言うのに彼は膝枕をやめようとしない。むしろ穏やかに微笑んで、大丈夫と幸せそうにしている。 「…貴方がいいならいいんですが、せめてブランケットを」 肩から暖かめのブランケットを羽織らせてため息をついた。 「ゴメンね、もう少し…このままでいさせて?」 優しく。 とても優しくあいつの髪を撫でながら、綺麗に笑うから何も言えなくなってしまう。 「…ハイ……そいつ起きたら、温かい紅茶いれますから。呼んでくださいね」 「ありがとう、隼人…」 「言っときますけど雲雀の為じゃなくて貴方の為ですからねっ」 「あは、それでもだよ。ありがとう」 「では、失礼します」 午睡からもうだいぶああして雲雀を膝枕してる十代目の足も限界だろうに、身じろぎもせずただ優しく。 どれだけ深い愛情なのか…ただもう羨ましいと思うこんな気持ちだけ、いい加減消えてなくなれと呪うように晴れた空を睨み上げた。 終 おまけ 「あの煩い右腕行った?」 「起きましたか?ヒバリさん。隼人は煩くないですよ?」 「綱吉は鈍感…」 「そうですか?」 「そうだよ。ねぇ頭撫でるソレ、案外気持ちいいね…」 「ふふっ毎日でもしますよ」 「うん、よろしく。ねぇ寒い?」 「いいえ大丈夫です」 「……風邪ひくまえに、紅茶飲みにいこう」 「ヒバリさんも素直じゃないですね」 「なに」 「割と隼人のことかってるくせに」 「君を護る気持ちは本物だからね、駄犬なりに」 「まあ、良しとしましょう」 「可愛くないなあ」 「元からですよ」 「馬鹿だね」 「それは認めます。おれはヒバリさんバカです」 「!」 おしまい [*前へ] [戻る] |