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1827
candy


「起きなよ綱吉」
「んー……もうちょっと……痛っ」

頭に鈍い痛みを感じて目を覚ますと、すでにスーツを着込み、トンファー片手に睨んでいる雲雀さんがいた。

「何も殴らなくても…」
「こうでもしないと起きないでしょ君は。」
「うー…だって昨日雲雀さんが無茶するから、怠……イタッ!」
「あと5分で支度」
「ハイ……」

今日は大事な会談がある日で、遅刻なんて以っての外。風紀委員長様の取り締まりは今でも健在なわけである。

渋々ベッドから起き上がり、一枚羽織っていたシャツのボタンを外す。
素肌に散った赤い所有印に昨晩の羞恥がまざまざと思い出されて、顔が熱くなった。

しばらく動けないでいたオレに、訝しく思った雲雀さんが近づいて、顔を覗きこんだ。

「本当に痛いの綱吉?」

前髪を優しく掻きあげられ、瞳を見つめられるだけでますます顔が赤くなる。

「や…あの…大丈夫です」
「……綱吉……君いつまでたっても慣れないよね」

人の悪い笑みを浮かべながら、額に口づけを落とされて、慣れるわけないからっと叫ぶ。

どんなに毎日触れ合っても、ますます好きになっていく。
とどまる事を知らない感情も何もかも総ては雲雀恭弥と言う人を中心に廻りだすのに。

「どれもこれも、雲雀さんが格好いいからいけないんですよ…」
「僕のせいなの?」
「貴方のせいです」

ふうん、と男らしい笑みで魅了すると鋭い瞳をさらに細めて、どんな理由でも遅刻したら咬み殺すよ?と口端をあげて不敵に笑った。

「すみませんっ!」

長年の条件反射で着替えを再開し、なんとか間に合うように準備を終えた。

二人で住むマンションを出ると、外には綱吉を迎えに来た右腕、獄寺隼人が車を寄せて待っている。

雲雀に最終チェックをされ、「よし」と了承を得た綱吉が玄関を出ようとしたその時、急に腕を引かれた綱吉が雲雀に強く抱きしめられ素早く口づけられた。

「…っ」

重ねた唇が離される寸前舌で何か押し入れられると、咥内に甘く丸いものが残された。

コロンと舌で転がすと、目を丸く見開いて雲雀を見る。

「……飴ですか?」
「そう。ホワイトデーだったよね昨日は。」

渡す前に押し倒しちゃったからあげる、と耳元にキスをしながら囁く声に目眩がする。

「会談が終わったら、夜食事でも行こう。たまには外で飲むのもいいね」
「…も、反則………だからいつまでも慣れないんですって……」
「認めてあげてもいいよ、確信犯だからね」

いつもより饒舌な雲雀さんが、余りに妖しく微笑むから慌てて玄関を飛び出した。

あのまま瞳を見ていたら、多分大事な会談でさえもほったらかしてしまいそうで。咥内にある甘い飴を含みながら何とか冷静さを装うと、車の前で待つ獄寺におはようと声をかけた。

「おはようございます十代目!……?何か甘い香りがしますが…コロンか何か変えましたか?」

こと、敬愛するボスの変化には聡い右腕の問いにニッコリ笑うと

「飴!」

と嬉しそうに答えて車に乗り込んだ。


















ホワイトデー1827+10短文でした!
一日過ぎてしまいましたがupです。バレンタイン話とはまた違った二人設定で、チョコをあげた綱吉にお返しをする雲雀さんはちゃんと渡す前に綱吉を押し倒してしまったので、翌朝出勤前にあげるという暴挙(笑)
きっと夜は美味しいディナーでも食べたのでしょう★

突発文で失礼致します(笑)



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あきゅろす。
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