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1827
硝子越しのキス



今日も補習を言い渡されてしまった綱吉は、誰もいない夕暮れの教室で、プリントを前にため息をついた。


山本は部活、獄寺はダイナマイトの仕入れにイタリア、なんでこんな時に限り居残りなんだと一人ごちる。

頬杖をついて窓越しに見た校庭は夕陽をうけて暖かな橙色に染まっていた。

「綺麗……」

ついに握っていたペンを放り出すと、立ち上がって窓際に寄る。

「あっ…!」

さらに外を眺めていると、銀色が残光に反射してキラっと光った。

「雲雀さんだ!」

真っ直ぐに前を見据え、風紀と書かれた腕章のついた学ランを翻して歩くその姿を目で追った。
両手のトンファーを見るに、おそらく誰かを咬み殺しに行く途中なのだろう。

「気づいて、雲雀さん…」

颯爽と歩くその姿に思わず窓に両手をついて額を硝子にくっつけた。


静かに目を閉じて心で祈る。


気づいて雲雀さん……!



コツン


ふと、硝子越しに額に衝撃が来た。


そっと目を開けると夕焼けを背にバルコニーに雲雀が立っていて、硝子を弾いた指先を窓につけて、黒く凜とした瞳が綱吉を捉えている。

『雲雀さん!』

嬉しい!気づいてくれた……

目の前にいる事が嬉しくて微笑むと、雲雀が少しだけ笑ったその顔に思わず見とれた。

窓越しに整った顔が近づいて自然綱吉も目を閉じ硝子に唇を寄せる。


硬質な硝子を通しても伝わる温かさに笑みが零れ、お互い額を合わせると

『また、後でね』


と唇が形作る。


指先を綱吉の唇に這わせて、雲雀は2階のバルコニーからヒラリと身を踊らせた。



去って行く後ろ姿を眺めながら、硝子越しに触れた唇に指を当てる。



『また後でね…』


また会えるその約束をくれた雲雀の去った方向に背を向けて、再びプリントを手にした。























あとがき

雲雀さん2階教室の窓までジャンプなんてやっぱり人間じゃないですね(ボソッ)

バルコニーと表してますが、ありましたよね学校の窓の外にプランターとか置ける、なんて言うの、外、テラスじゃないし…あ、ベランダ?…えと、まあ、それの事です。

鍵を開ける事を思わず忘れるくらいあっという間に雲雀が去った!と……


硝子越しにちゅってするのも………大好き(大声)!

雲雀も目なんか閉じてたら、最高萌える(笑)

雨でボケーっとしてたら、ふと浮かびました★



突発文お粗末さまです(>_<)綾



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