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卒業まで数週間 あとどれくらい君のそばに居られるだろうか
2


「はい、切符」

「雲雀さんどこへ行くんですか?」

渡された切符を見てわりと遠くだと知る。

何も答えず先を行く雲雀を、足早に追いかけた。


制服のまま乗り込んだ車内は、昼間と言うのもあり空いていて、ローカル線に近い車内のボックス席、車両にはほとんど人もいなかった。



「…………っ」

「……」

「っん………んン」


座席に座るなり、腰を引かれ雲雀の膝を跨いで座らせられ、抱き寄せられるといきなり口づけを受けた。

いくら誰もいないとは言え、急に人が来るかもしれない。
でも……そんな思考はあっという間に巧みな口づけに流された。


唇を合わせて熱い舌先で輪郭をなぞられ、そのまま割入った舌が歯列をなぞり、擦り合わされる。

響くリップ音や絡められる舌の熱い感触に背中がゾクリと震える。


絡み合う吐息が熱をもって体温さえも上昇していく。

「ひばりさ………なんで……」

このタイミングで…二人で出かけるなんて


「いいから…黙りなよ」

唇が首筋を伝い、指先が制服の前を開き素肌に触れる。

その感触にビクッとして、何とか悪戯に這う指を制した。

「駅に………着いちゃいますっ」

「……」

必死に制服の前を合わせると、乗せられていた膝から降りる。

向かいに座ってからも心臓はドキドキと忙しなく、唇や首筋、彼が触れた場所すべてが熱かった。

ーーこんなの狡い……自分ばかりドキドキして、雲雀さんが触れた場所全て心臓がついたように拍動してるみたいなのに…

何事もなかったような涼しい顔をして、外を眺めるその白い横顔を見つめ、小さく溜息を零して俯いた。

膝の上に握った拳が震える。

気を抜けば、涙が溢れそうになるのを必死に堪える時間がやけに長く感じて、雲雀が買ってくれた切符をただ眺めていた。

外の景色は足早に流れていく。
このまま卒業していく時を止められないのだと、嘲笑うかのように。


「着いたよ」

二の腕を引かれて、弾かれたように顔をあげると
何を考えているのかわからない真っ黒な瞳とぶつかる。

「は…い」

駅に降りるとそこからは、とても大きな観覧車が見えた。




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あきゅろす。
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