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卒業まで数週間 あとどれくらい君のそばに居られるだろうか
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明日雲雀さんがこの学校から卒業する。


並盛が大好きな人だからこの町からいなくなるわけじゃないだろうけど、雲雀恭弥と言う人の事を知らない事の方が多い俺は、彼が卒業してどこに行くのか、どうするのか何も知らない…

何故か聞いてはいけないような、まだ聞く事を赦されていないような、そんな自己完結で聞けないでいる


(知ってしまうのが怖いのか、はたまた関係ないと言われるその言葉の暴力に傷つくのを恐れているのか)


どちらにしても明日彼がいなくなってしまう事実は何も変わらない。


学校という狭い世界の中で、雲雀恭弥さんに出会って、色々な感情を覚えた


自分の中であの人が絶対になってしまいすぎて、失う事が怖かった俺は、自分から何も知ろうとはしなかった。

偶然出会った応接室、あの人がいつも寝ていた学校の屋上、何度も探したから、学校には詳しくなってしまった。


つき合っていると思っていていいのかわからないような自由な人だった。

気まぐれに抱きしめられた夕暮れの教室や、屋上、すべてが大切な場所で………


もう会うことはないのだろうか…それさえも……

未だ聞けぬまま


フラリと立ち寄った屋上から見上げた空は気持ちとは裏腹に真っ青に澄み渡っていて泣きたくなる。

体育館からは予行演習の歌声が響いていた。


「雲雀さん……」

大切な名前を呟いて、座り込む。



「こんな所で何してるの」

腕に風紀と書かれた赤い腕章をつけた学ランを翻して、そこに雲雀が立っていた。


見上げた視界いっぱいに青と黒のコントラスト


「…泣いてるのかと思った」

「え…?」

「いや」

「あ…の、明日卒業ですね…」

「そうだね」

「おめでとうございます…」

「………」

「雲雀さん…?」

「今から出かけるよ」

「えっ…」


右手を捕らえられると、冷たいコンクリートから立ち上がらせられ、引かれるように校舎をでた。


振り返り見上げたその場所はまだ卒業式の予行練習が続いている。





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