並盛トリオ 雨宿り 3 その時テラスの扉を開けて、俺達を見た獄寺くんが、 「あーっっコラてめぇ山本!頼んだとは言ったが、そんなくっつけとは言ってねぇっ離れろ野球バカっ」 と昔みたいに大声で叫んだ。 自分で言って驚いたような顔をした獄寺くんと…俺達。 ポカンとしたそのあとで、久しぶりに心から大声で笑った。 二人の、俺達の後ろに、並盛の校舎とグラウンドが見えた気がして、こんな親友がいた事をとても誇らしく 世界で一番幸せだと思っていたあの頃の自分たちに、今の俺たちを見せたい 失くしたものも変わったものも沢山あった でも今はそれより勝る宝物を見つけたから こんな当然を今更見つけた今、 心から言いたいんだよ ね、そばにいてくれて本当に本当にありがとう 君たちに出会えたこんな当たり前なことが とても………とても誇らしい あの日放課後の教室から見た夕暮れのグラウンド、独り残ってバットを振っていたあの親友の姿に、 心の中でそっと さようなら、と告げた。 終 BGM BOCのR.I.P アンジェラ・アキ拝啓15歳の君へ スピッツ センチメンタル この話は山本に捧げるLOVE LETTER みたいなもので、夢を見させてもらったのは自分の方だと気づいた時、大人になって行くんだろうなと恥ずかしくも懐かしいセンチメンタルな気持ちになって書いてました。 すべてはツナくんが話してくれたのでもう何も語らずとも、です。 山本いい男だね。 あ、タイトル雨宿りは、イタリアに渡ったツナにリボーンがくれた少しの優しさの意味を込めて、これにしました。 休んでこいって。 [*前へ] [戻る] |