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恋の病3
「代われ獄寺。俺は忙しいんだ」
ベッドから立ち上がると、獄寺の横を通り過ぎてドアの所で振り返る。
「ツナが熱出してんだ。後はお前が看病しろよ?誰かさんと間違えられるなんて最悪だからな…」
片手を振ってドアをしめる。
「十代目!熱が…って、誰と間違えられるですって?」
もういない家庭教師を振り返っても答えはわからない。
ふうっとため息をつくと綱吉の顔を覗きこむ。
「十代目…」
夕日が部屋いっぱいに差し込み、ツナの髪が蜂蜜色に変わる。その髪を優しく壊れものを扱うように撫でる。額に手を当てると、まだ熱が高い。氷と薬を取りに席を立とうとすると上着の裾をつかまれた。
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