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Please Give Me Your Kiss1




ああもうどうしてこう毎日暑いんだろう…夏休み中にもかかわらず、プールに行くためだけに学校に行かなくてはいけない。

「ツッ君ー!獄寺くん迎えに来たわよー」

階下から母親の声がして、俺はカバンに急いで水着やらタオルやらを投げ込んだ。


Please Give Me Your Kiss



「お待たせ獄寺くん」

「おはよーございます十代目!」

今日もあちーですね、とかなんとか話す君の横顔を俺はぼんやりと見つめながら歩く。

アスファルトはジリジリ照り付ける太陽で焼けるように暑く、夏を謳歌するかのように蝉時雨が降り注ぐ。

歩くだけで汗が額や首筋に流れ気持ち悪い。なのに獄寺くんは、シャツの釦を一つ開けただけでそんなに暑そうじゃない。

やっぱり獄寺くんはカッコイイ…真っ直ぐ前を向いた時の通った鼻筋や、イタリアの血を思わせるグレイがかった翠の瞳。今日は後ろで結わいてある銀の髪。羨ましくて話し続ける君を見すぎた。

突然こっちを向いた獄寺くんの綺麗な顔がドアップ…

「十代目?顔が赤いっスよ?!具合でも悪いですか?」

眉間に皺を寄せて顔を覗きこまれる。
そんな仕草さえカッコイイなんて卑怯だ…

「え?あ、ゴメン暑くてぼーっとしちゃった…」

大丈夫だよと曖昧な笑顔を返して後は余り獄寺くんを見ないように学校に向かった。



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