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輝く君の行方は…(8)

コガネシティ・ラジオ塔の外。

ジバコイルで空を飛ぶミヅキは窓からラジオ塔の中を見る。デンジの言った通り、ある程度レベルの高いポケモンだったら電波に負けないようだ。

…ちなみにミヅキの手持ちの電気タイプはジバコイル意外ダメだった。

「…………」

見つからないよう気を配りながら順番に部屋を覗いていく。

中で動いている人達は全員バラバラの普通の洋服を着ている。組織での乗っ取りの可能性が高いが、ただの従業員の可能性だって否定できない。

組織だとしてもロケット団やギンガ団のように特定するのは難しい。

「(私服か…乗っ取りかどうか判断しにくいな)」

一部屋一部屋覗いていく。次は放送室だ。

リカの大好きな『クルミちゃん』や、よくユウナが聴いている音楽を流す『DJセージ』のような人達が座っているはずの椅子には…

知らない髭のオッサン(小太り)が無言で座っている。マイクの前なのに何も喋っていない。

そしてマイクのテーブルの下にはさるぐつわされて手足を縛られたクルミちゃんがいた。

「(乗っ取り決定だなオイィ!!)」



 ☆ ☆ ☆



一方、リカ&デンジ。

「え〜っ、通してよ〜!」

「ポケギアが使えねぇんだ。後ろめたい事が無いなら通せ。あっても通せ」

二人はラジオ塔一階のカウンターで受付嬢を相手にしていた。乗っ取だとわかれば強行突破するつもりで。

「ですから、只今見学できません。また後日おこし下さい」

「知らねぇよ通せ」

受付嬢の言葉を一刀両断するデンジ。受付嬢の笑顔が引きつる。

「あ、あのですね…今は通せないと言っているでしょう?文句があるのでしたら、局長にお願いします。呼びましょうか?」

受付嬢がそう言うと、リカの目の光が鋭くなった。

「偽物の?」

いつもの声よりも、澄んでいて綺麗に聞こえる…ような気がする。

「お姉さん、本当の受付嬢じゃないよね?ただの迷惑な客に普通はわざわざ局長を呼んだりしないよ。それに局長呼んだって、うちには偽物だってすぐわかるよ。本物と会ったことあるもん」

「……くっ。何の話でしょうか?」

一瞬、受付嬢の顔が悔しそうに歪んだ。いや、受付嬢ではなく偽受付嬢だが。

「とぼけても無駄だよ。警察呼ぼうか?うち、ポリゴン持ってるから電脳空間を通して警察署まで…」

「チィッ!なめるな糞餓鬼!!」

リカの言葉を最後まで聞かず叫んだ偽受付嬢は、モンスターボールを投げた。

ボンッ

中からスコルピが出てくる。

「『ミサイルばり』!!」

「ええ!?」

いきなりの事にに行動できないリカ。

デンジがライチュウをボールから出し、命令する。

「『10まんボルト』!!」

だが、偽受付嬢の命令に間に合わなかった。

ドシュドシュッッ

スコルピのとげがリカに向かって放たれ、その直後にライチュウの『10まんボルト』が決まりスコルピは倒れた。

向かってくるとげに、リカはとっさに腕で自分をかばう格好をする。

「……………?」

しかし、何とも無い。

ゆっくり目を開けて前を見ると、歯車のようなもの…

ギアル。

「ふぅ…ギアルの『まもる』が間に合ってよかったよ。電気以外のタイプも持つもんだな」

ラジオ塔の入り口の方から聞こえた声。

そっちを向くと…ピースをして、にししっと笑うミヅキ。

「ラジオ塔は間違いなく乗っ取られてる。ポリゴンを電脳空間に放して、ジョウト警察に通報だな」

「そうだね、みー!!」

リカが笑顔になった。そして置いてあるパソコンに向かう。

デンジは倒した偽受付嬢の襟を掴んで言った。

「ヤマブキの行方不明者続出事件の犯人はお前達か?」

「くっ…。貴様はシンオウのジムリーダーだろう。なぜジョウトにいる?」

「質問に答えろ。俺のポケモンの餌食になりたいのか?」

ライチュウがでんきぶくろをバチバチいわせる。それを見た偽受付嬢は吐き捨てるように言った。

「…………違うさ。協力し合っている別の組織の仕業だ。我々は一時的に通信機器を使えなくしただけにすぎない」

「…そうかよ」

デンジは乱暴に偽受付嬢を離した。

「上に行くぞ!」

デンジはミヅキとリカに声をかけ、階段を登った。



つづく

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あきゅろす。
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