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うちらのイッシュ旅行記・04
−うちらのイッシュ旅行記−
〜第四話〜
ヒウンシティを歩くサツキとミヅキ。
通りを抜けると、噴水を中心に丸く広がる、広場のような場所に出た。
近くにはベンチと自動販売機がある。
「お、ちょうどいいし、少し休むか」
「……そうだね」
ミヅキは自販機にかけより、ポケットから財布を出した。
「どれにするかな…」
どのジュースを買うか迷うミヅキ。
サツキはベンチに腰かけ、イッシュ地方の旅行のガイドブックをボストンバッグから取り出した。
ぺらぺらとページに目を通す。
"ポケモンミュージカル"
"バトルサブウェイ"
"リトルコート&ビッグスタジアム"
"ライモン遊園地"
…これらライモンシティの有名スポットは、後日回る予定だ。
ヒウンシティのページは…
"ヒウンアイス"
"アトリエヒウン"
…他にもブランド物のショップなどが載っているが、彼女的にめぼしい物はこれだけ。
というか、探偵団でブランド物を欲しいと思うのは…お洒落番長のユウナくらいだろう。
「(………まあ、経済の中心地だしね…)」
ヒウンシティは、会社のビルが多く並ぶ街なのである。娯楽施設はライモンシティやサザナミタウンの方が圧倒的に多い。
「(……何で時間を、潰そうかな)」
そう思いながらペラペラページを捲っていくと、ジムリーダーの特集ページがあった。
ポケモンバトル関連の雑誌以外でジムリーダーの特集が組まれるのは珍しい。
そこにはでかでかとライモンジムリーダー兼モデルである、カミツレの写真と紹介が載っている。流石はイッシュ地方のNo.1カリスマモデルだ。
その近くには、ヒウンジムリーダー兼アーティストであるアーティや、ホドモエジムリーダー兼鉱山王であるヤーコンの紹介が載っていた。
「……………」
サツキがそのページを眺めていると、ミックスオレを買ったミヅキが飲みながら来た。
「さっちゃ〜ん、どこ行く?と言っても、店ぐらいしか行くとこないけどな」
ミヅキがそう聞くと、サツキは答えた。
「……ジムに、行こっか…」
「は?」
ちょっと意外な返答だった。
「(さっちゃんがジム戦とか…今まで無かったな…。急にどうしたんだ…?)」
ミヅキは少しだけ戸惑った。
☆
一方、ヒウンアイス組。
ユウリ「順番が来るのはまだまだ先ですぅ…」
マキ「立ってるのも辛いよね…。リーダーはそんなことないみたいだけど」
リカ「ヒウンアイス…うふふ…」
ユウナ「多分、ヒウンアイスの味を妄想してるんだわ…」
☆
そしてヒウンジムの前。
「きっと入った瞬間、変な男が『げんきしとぉや!!』とか言ってくるぞ」
「……それ、ホウエンのジムだけだと思う…」
こんなやり取りをしつつ、2人はジムに挑む前に、ポケモンたちのコンディションをチェックする事にした。
「よし、出てこいメリープ!初のバトルデビューになるかもだぞ!」
ポイッ
ミヅキが今までバトルで使った事が無い、メリープのボールを投げた。
パシッッ
シュタタタタ……
「………あ゛?」
ミヅキがぽかんとする。
ボールが…消えた。
一瞬、紫色の物体が横切った。その時ボールが消えたのだ。
紫色の物体が横切った方を見ると、紫色の猫のポケモンがボールを抱えている。
「み、みーのモンスターボールが!?」
ミヅキが驚いて叫んだ。
「みゃあん!」
その猫のポケモンは可愛らしく鳴いてみせた。
その両脇には…フードがついた水色の服を来た男女2人。胸の部分には、PとZが合体したようなマークが付いている。片方が猫のポケモンのトレーナーのようだ。
「おいお前ら、何のつもりだ?ボール返せ。みー達はこれからジムに挑むんだよ」
ミヅキがそう言うと、男は言った。
「断る!我々はポケモンたちを人間から解放するのだ!」
*つづく*
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カミツレさんはジムリ特集で一番大きい記事になりそうですよね(笑)
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