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ムロタウンでのユウキの話(ユウ→ダイ)
「めんどくさ…」
ミシロタウンに引っ越してきた少年『ユウキ』は、なんやかんやで旅にでて、今はムロタウンの洞窟にいた。
「何でこんな苦労して届け物しなくちゃいけないんだ…」
ブツブツ文句を言いながら奥へと進む。
デボンコーポレーションのツワブキ社長から預かった手紙を『ダイゴ』という男に届けなければいけないのである。
「この後はカイナにも行かないとだし。…ツワブキの野郎」
相当嫌なのだろう。社長を野郎呼ばわりだ。でも報酬としてポケナビを貰った以上、嫌でもやらなければいけないのだが。
「ここから暗いのか…」
一切日の光が入らない真っ暗な場所に出た。何か明かりが無いと進めそうにない。
ユウキはモンスターボールを手に取る。キルリアの入ったボールだ。
「じゃ、頼むよ!」
そう言って軽くボールを投げる。
ボンッ
「『フラッシュ』!」
ボールから出てきたキルリアは、頭のつのを光らせ、辺りを照す。
ユウキはこの『フラッシュ』を使えるようになる為に、ムロのジムリーダー・トウキに挑みバッジをゲットしたのだ。(ユウキ曰わく最高に面倒)
因みに、その時ラルトスはキルリアに進化した。
「よし」
ユウキはキルリアと共に奥へと進んだ。
「一体どこだろう…。ダイゴって人」
ユウキは、たまに襲ってくるズバットやマクノシタなどの野生のポケモンを、キルリアとジュプトルで撃退しながら進む。
バキィ(『でんこうせっか』)
キイィン(『ねんりき』)
バシュン(『いあいぎり』)
ユウキは『ツワブキふざけんな』『一回くたばれ』『デボン潰れろ』と思いながら野生のポケモンを撃退していた。
……将来が不安だ。
「ここかな?」
天井に穴が開いていて、日の光が当たる場所に出た。
「あ!」
灰色の髪の人の後ろ姿が目に入った。
「すみません!あの…」
ユウキは駆け寄り声をかける。
ユウキの声に気がつき、その人は振り返った。
整った顔。
色素の薄い瞳。
「………………」
ユウキは言葉を失った。
ユウキには、その人がキラキラして見えた。
「なんだい?」
彼は続きを言わないユウキに、にこっと笑いかけた。
「あ、ああ。そうだ」
正気に戻ったユウキは、慌てて続けた。
「僕はユウキっていいます。ダイゴって人を探してるんですけど、あなたがダイゴさんですか?」
「うん。ボクはダイゴ。珍しい石を探しているんだ」
「そうですか。あなたが僕の未来のお嫁さんですか」
「………………よめ…?」
……ユウキは正気に戻っていなかった。
ダイゴが果てしなく頭に『?』マークを浮かべている。
まあ、とにかくダイゴに会えたため、お使いを一つ終える事ができる。
「ああ、すみません。ツワブキ社長からの手紙です。これを渡す為に探してたんです」
ユウキは鞄から手紙を取り出し、ダイゴに渡した。
「父からの手紙を届けてくれたのか。ありがとう。じゃあボクからは…、はい」
ダイゴがユウキに『はがねのつばさ』のわざマシンを渡す。
「ボクのお気に入りの技なんだ。よかったら使って」
「いいんですか?ありがとうございます!」
ユウキはダイゴに抱き付きいた。年相応の可愛い反応と言えるだろう。
「そんなに喜んでもらえるとボクも嬉しいよ」
ダイゴはユウキの頭をぽんぽんと撫でた。
その後、ユウキはわざマシンを鞄にしまい、二人はポケナビにエントリーコールを登録した。
別れた後のユウキは…
「ダイゴさんかぁ…。会えたのはツワブキのおかげ…。あいつ、意外とイイヤツかもな…」
目を凄くキラキラさせている。イキイキしていて人生を楽しんでいる人の目だ。
正気に戻る気配がない……というより、あれで正気なのかもしれない。
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おかしいのはいつものことです。勘弁して下さい\(^q^)/
ここのユウキは頭おかしいネタキャラみたいなものです。
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