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赤の名を持つ彼を探して(15)
「ウガアァァァァァァ！！！」
叫びながら突っ込んで来たカイリュー。そのスピードに、ジバコイルは反応しきれなかった。
爪、牙、ブレス、尾…全てを使っての連続攻撃がジバコイルを襲う。
上下左右を爪、正面からは牙、更に『りゅうのいかり』や『りゅうのいぶき』、回転して尾で叩く。
フィールドにはジバコイルが攻撃を受ける金属質な音が響く。
「ジバコイルぅぅぅ！！？」
ミキが叫ぶ。
「と、トゲキッス！カイリューを止めるですぅ！！『すてみタックル』！！」
「トゲ〜〜〜！！」
ユウリの指示で、トゲキッスが今回のトップスピードでカイリューの背中に向かってに突っ込む。
ブゥンッ
バッシィンッ
しかし、尾によって地面に叩きつけられた。
「トゲキッスぅぅぅ！！？」
ユウリが叫ぶ。落ちたトゲキッスを見ると、瀕死になっていた。
ひゅるるる……ガシャンッッ
ジバコイルも瀕死になり、地面に落ちた。
「ごめんですぅ。ゆっくり休むですぅ〜」
「ジバコイルぅ…。チクショウ、ワタル容赦ねぇ！」
ユウリとミキは二体をボールに戻し、同時に次のポケモンを出す。
「エネコロロ、お願いですぅ！！」
「ぶちかませサンダース！！」
ボンッ
ボンッ
二匹がボールから出ると…
ドカバキゴァァァッッ
…サンダースが瞬殺された。『げきりん』は一定時間続く技なのだ。
「……嘘ダローー！！？」
ミキが目を見開いて『げきりん』状態のカイリューを見る。
「〜〜！！戻れサンダース！行け！！レアコイル！！」
半ヤケクソ状態でミキがボールを投げる。ユウリのエネコロロも既に倒されていた。はやい。
残るはミヅキのレアコイルのみだ。
「うわぁぁん……三体全員やられちゃったですぅ〜っ」
ユウリ、涙目。
絶体絶命のピンチ。だが、ミキにはまだ希望があった。
「(残り一体。でも『げきりん』の後はチャンスだ！)」
げきりんを使った後はこんらん状態になる。そこを攻撃するつもりなのだ。
そしてカイリューは『げきりん』状態が終わった！！
「今だ！！レアコイル！『１０まんボルト』！！」
「カイリュー、『はかいこうせん』！」
ズガァンッッ
…カイリューの『はかいこうせん』は、レアコイルに直撃した。
勝者、ワタル。
「何であそこでカイリューの技がちゃんと当たるんだよ！！クソッッ！！」
負けて悔しがっているミキに、ワタルはにこやかに言った。
「わるいが、カイリューにはキーの実を持たせてあったんだ」
「………………なるほど」
ミヅキは泣きたくなった。
つづく
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