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赤の名を持つ彼を探して(11)
トキワシティジム。
「……ただい、ま」
バトルを終えたサツキが、グリーン達の元に帰ってきた。
マキとユウリが出迎え、ペットボトルのお茶をを渡す。
「お疲れ様さっちゃん。かっこよかったよ〜」
「エルレイドとの作戦勝ち、凄かったですぅ!」
「……見てたの?」
サツキがお茶のキャップを回しながら聞いた。
グリーンが答える。
「隠しカメラだ。ジムでの大事なバトルで、不正なんてあったら大問題になるからな」
「そのカメラで私達も見てたんですぅ!」
「……そう」
サツキはお茶をごくごくと飲み、キャップをしめた。
「お前、結構強いんだな。ジムに挑んだりしてないのか?」
「……別に、大したことないよ。ジムに挑む予定は、無い」
「なんだ。挑まないのか…」
グリーンはサツキの答えに少し残念に思った。
「……向こうから、連絡は?」
向こうとは、マサラの方へ行った三人の事だ。
「ついさっき、リーダーから電話があったよ。『次の目的地はセキエイじゃ!ミーティングするから、ホテルに帰ってくるのじゃ!あ、ついでにグリーンもなのじゃよ☆』って」
マキちゃんがクスクスと小さく笑いながら、内容を一字一句間違わずに言う。
「……何?その…変な口調」
「依頼人の俺が『ついで』だしな」
グリーンは少々呆れ気味だ。
「次の行き先がセキエイなのも、意味わかんないんですぅ」
リカは何の説明もしなかったため、四人は向こうで得た情報を何も知らないのだ。
「……ジムの挑戦者ももういないし、ホテルに向かおうか」
サツキがそう言うと、みんな頷いてジムを後にした。
………ジムトレーナーの方々は、ジムリーダーがまたいなくなることに頭を痛めていたが。
つづく
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