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赤の名を持つ彼を探して(8)
マサラタウン。レッドの家。
「三年前に旅に出てから、帰って来ない?」
ミキはレッドの母の言葉に耳を疑った。
レッドの母は続ける。
「はい。後三ヶ月もすれば旅立ってから三年になります。ずっと帰って来なくて、連絡も一切よこさないのよ…。一体今どこにいるのか…」
うつむくレッドの母。
「……心配だわ」
「そうなんですか…」
ユウナが小さな声で言う。
三人は、まさか"三年間一度も"帰って来ていないとは思っていないことだった。
ガチャッ
「ただいま〜!」
「ただいま」
玄関の扉が開き、少女と少年の声が聞こえてきた。
「すみません」
レッドの母がと立ち上がり、玄関に向かう。
玄関からは、三人の会話が聞こえてきた。
「お帰りなさいリーフ。あら?ファイアも帰ってきたのね!ホウエンはどうだった?」
「ただいま母さん。常夏ってカンジのいいところだったよ。お土産も買ってきたんだ。後で食べよう」
「お土産、"フエン"ってところのお煎餅なんだって!後ね、わたしにはむこうのポケモンのぬいぐるみを買ってきてくれたの!」
聞こえてきた会話は楽しそうだった。おそらく、帰ってきたのはレッドの弟と妹だろう。
「きょうだいがいたのね。」
ユウナが呟いた。
「帰る家があるのに…。ホント、レッドってやつは何を考えてんだか」
ミキはため息をついた。
「お母さん。凄く心配してるじゃん。」
リカは、何だか寂しそうだ。
「へぇ。あんた達探偵なんだ?」
「わたし、探偵さんって見るの初めてだよ!」
リカ達の向かいのソファに座る少年と少女。
少年はレッドの弟の『ファイア』。少女は妹の『リーフ』だ。
リカの希望で、この二人にも話を聞くことになった。
リカが二人に聞く。
「旅にでる前はお兄さんってどんなカンジだったの?」
「無口だけど優しいよ。綺麗な花がさいてると、摘んできてくれたりしたの!」
ニコニコしながら話すリーフ。
「仲良しなんだね〜」
「うん!」
ユウナの言葉に素直に返事するリーフ。素直ないい子だ。
一方、ファイアは…
「どんなって…ほとんど話さないからなぁ…。てかオレ、兄貴キライだし」
不機嫌そうな顔をするファイア。
「もぅ!お兄ちゃんったら!キライとか言わないでよ!」
頬をぷくっと膨らませてリーフが怒る。
それを見たファイアは、
「リーフは大す……いや、何でもない。」
顔を少し赤くして顔をそむけた。
三人は確信した。
「「「(シスコンだ!!)」」」
「(ねえ…ファイアってさ…)」
「(間違いなくシスコンだな)」
「(そうね。間違いなくシスコンね)」
「(ツッコんだ方がいいかなぁ…?)」
三人はファイアにシスコンであることを突っ込もうか少し悩んだ。
とりあえず、ミキが質問を変える。
「そうだ!強いトレーナーの噂は聞いた事ないか?」
「強いトレーナー?う〜ん…どうだろう」
ファイアは腕を組んで考えた。旅の途中で会った人達を思い出す。
「………そうだ!あの人だったら多分…。」
つづく
ようやくファイアくんとリーフちゃんを出せました。
設定がかなり捏造されていますww
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