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赤の名を持つ彼を探して(6)
マサラタウン
なにものにも そまって いない
まっさらで ちいさな まち
マサラは まっしろ はじまりのいろ
「本当に何にもねえマッサラタウンだな…」
ミキは看板の説明をを見てそう言った。
「みーってば失礼よ!?」
ユウナにそう言われ、ミキはこう言う。
「だってさ〜、ポケモンセンターすら無いじゃねえか」
周りを見ると、確かにポケモンセンターは無い。というか、フレンドリィショップも無い。
そう、二人はマサラタウンに来たのだ。
リカと一緒に。
「むしゃむしゃ…グリーンめ、トキワジムに戻るとか…むしゃむしゃ…ふざけてるのかっての…」
リカはマシュマロを食べて怒っている。
「文句言ったって仕方ねーだろ?ジムトレーナーから『ジムが開いて無くて挑戦者から苦情が来てる』って連絡があったんだから」
「わかってるよみー、でも昨日までは来るって言ってたからさ〜むしゃむしゃ…」
「つーか、さっちゃんとまきちゃんとゆうちゃんをグリーンのとこに行かせたし、いざとなったらグリーンと連絡とれんだろ」
「まあ、そうなんだけどね?でも文句はでちゃうよ〜」
ぐちぐちと文句を言うリカに、ユウナも文句を言う。
「じゃああたしも言わせてもらうけど、3人と一緒にジムの方に行きたかったのに、なんでこっちだったの?」
「「それは仕方ない!!」」
「え!?なんで!?」
ユウナはイケメン(グリーン)と一緒にいると暴走しそうという理由でこっちになったのだ。
言えるわけがない。
「えっと、それは……ねぇ?みーに聞いて!」
ダッシュでその場から逃げ出すリカ。
「ちょ…!みーに押し付けて逃げるなクソリーダー!!口にキムチ詰めるぞ!!」
「それは勘弁して!!」
そしてなんやかんやでレッドの家に到着。
リカとミキの頬に赤く手形がついているように見えるが、きっと気のせいだろう。
「じゃ、鳴らすよ」
ピンポーン
リカはインターホンを押した。
「はーい!ちょっと待ってくださいね!」
中から女の人の声と、パタパタという足音が聞こえた。おそらくレッドの母だろう。
ガチャ
扉が開き、黒髪の女性が出てきた。
「こんにちは!」
リカがあいさつをした。
「あら、こんにちは。お嬢ちゃんどうしたの?」
小さい子どもに対する話し方をされた。まあ、リカは小さいから当然の反応かもしれない。
「……………」
リカは黙ってしまった。『お嬢ちゃん』と言われたのがショックだったのだろう。
かわりにユウナが話をする。
「はじめまして。あたし達、Wish探偵団と言います」
「探偵…?」
「はい。ジョウトのコガネシティから来ました。レッドさんのお母さんですよね?レッドさんのことで、お聞きしたいことがあるんです」
『レッド』と聞いて、母親の顔色が変わった。
「レッド!?レッドに何かあったんですか!?」
「……詳しくは中で話したいのですが、よろしいですか?」
リビングへと通され、ソファに座った三人。
さらにコーヒーを出された。
家の中は生活感が出ながらも、物は決して多くはなく整理整頓されている。几帳面な性格なのだろう。
「さて、さっそく本題に入ります…」
リカは普段とは違う真剣な顔で言った。
「レッドさんとはいつから会っていないんですか?そしていつから連絡を取っていないんですか?」
つづく
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