本棚
第11ターン「WDC予選 真梨亜vsかっとビング@」
あらすじ
・欠片被った
・家に帰った
☆第11ターン
WDC予選
真梨亜vsかっとビング@
予選2日目。
昨日の私の一件で、欠片が被る確率が思っていたより高い可能性を考えた私たちは、
昨日より早めに町に出ていた。
「さーてと、みんな張り切ってデュエルしようね!」
「そうだねれいちゃん!」
れいちゃんはやる気まんまんだ!私も頑張らないと!
「ウチは眠い」
えみたんはいつも通りローテンション。テンション上がるまで、まだちょっとかかりそうかな?
「全くえみたんってば、れいちゃんを見習…」
「あっ!見てあの子!可愛い!可愛い!!」
突然れいちゃんが私の腕を引っ張った。
れいちゃんの指差す先には、母親らしき女性に手を引かれて歩く女の子。推定4歳。確かに可愛い。癒される。
「あぁ〜超可愛い〜。ハァハァ…」
だけどこれを見て息を荒くするのはどうかと思います。
「落ち着けロリコン」
「まりちゃん酷い!」
まったく今日は(今日も?)、こんなんで大丈夫かな?
少しだけ不安だけど、私たちはデュエル相手を探し始めた。
☆
そして1時間後。
公園にて。
「『魔導法士 ジュノン』でダイレクトアタック!マジカル・シャイン・バースト!」
「うわぁぁぁぁ!!」
えみたんがデュエル相手を吹き飛ばした。
相手は欠片を3個持っていたけど、2個は被っていた。
えみたんは4個目の欠片をゲットし、残る欠片は1個になった。
「…ふぅ、疲れた。喉渇いちゃったからジュース買いに行くね」
「えみたんお疲れ様!私も買うよ。れいちゃん、ちょっと待ってて!」
「おけー。デッキ見直して待ってるよ〜」
私とえみたんはれいちゃんを残し、公園入り口の自動販売機に行った。
「ウチは…これかな」
ガコンッ
えみたんが買ったのは冷たいミルクティー。新発売のやつだ。
「え〜っと、私はやっぱりコーラかな」
定番だけど、炭酸が好きだからつい買っちゃうんだよね。
ガコンッ
出てきたコーラをしゃがんで取ると、自販機の下にカードが落ちているのが見えた。裏向きで茶色と黒の模様が見える。
「誰のだろ?」
自販機の下と言ってもすぐ拾える位置だから拾ってみる。
誰が落としたんだろう?
「モンスターエクシーズかぁ。えーっと、『No.52 ダイヤ………うっ!?」
突然頭がクラッと来た。
「どうしたの?」
えみたんが、頭を押さえる私を心配してくれた。
「ううん。大丈夫」
ちょっと気持ち悪かったけど、気のせいみたいだ。
「本当?」
「本当本当!それより、早くデュエルしたいなぁ。相手を探さないと!えみたんとデュエルでもいいよ!」
「勘弁してよ。今デュエルしたばっかだし、ウチはパス」
「え〜?早く力を試したいのに!やーろーうーよー!」
このモンスターを早く召喚してみたい。ウズウズしてくる。
「嫌だって!だったら早く戻って相手を探したら?ウチは休む」
「ん〜…じゃあそうするしかないか。早く戻ろう!」
「ちょ、真梨亜!?どうしたの本当に!?」
私はえみたんの手を引き、駆け足でれいちゃんのもとへ向かった。
あぁ、早くデュエルがしたい!
「れいちゃーん!私の餌食となるデュエリストを探すよー!」
☆
『……ナンバーズの…気配?』
「え!?」
『向こうの方からだ!行くぞ、遊馬!』
☆
ドガァァァンッ!!
わたしの目の前で、まりちゃんの対戦相手が吹き飛んだ。
「う、うわぁぁぁぁ!!」
「私の勝ち!最高だよこの力!アハハッ」
「く、クソッ………。俺のハートピース…」
「えー?このハートピース持ってるやつじゃん!ガッカリ。さっきの人も被ってたし、本当に使えないなぁ」
まりちゃんが勝った。
本日2連勝。
いつもなら駆け寄って一緒に喜ぶんだけど……おかしい。
ジュースを買って戻ってきてから、まりちゃんの様子が明らかに変だ。
「ねぇ、まりちゃんってばどうしたのかな…?」
こっそり隣のえみたんに聞いてみる。
「ウチにも分かんないよ。真梨亜らしくない」
えみたんも困惑している。一体まりちゃんはどうしたんだろう。
見たことないモンスターエクシーズを使ってるし、笑いながら相手を煽って、まるで別人みたい。
「…あ。そういえば、さっき自販機のとこでカードを拾ったみたいだったけど…」
「カード?」
それがあの見たこと無いモンスターエクシーズなのかな?
それにカードといえば、最近『ナンバーズ』って怪しいカードの噂がある。
さっきまりちゃんが召喚したのも『ナンバーズ』って…。
「2人ともー、早く次の相手を探そうよー!フフフ…」
まりちゃんに呼ばれ、会話は中断となった。
どうしよう。まりちゃんを正気に戻さないと…。
「見つけたぜ!お前がナンバーズ使いか!」
突然、わたし達3人の前に特徴的な髪型の少年が現れた。
「1年の…九十九遊馬くん?だよね、えみたん」
「うん。あの鋭利な前髪は間違いなく1年の九十九だよ」
どうしてここに…って、彼もWDCの参加者なのかな。
まりちゃんはニヤッと笑った。
「次の相手はあなただね。これで3連勝。ハートピース、被ってないといいんだけど?」
「もう勝ったつもりかよ!デュエルはやってみなきゃ分かんないぜ!」
「どうかなぁ。口だけじゃ私の守りを突破できないよ?」
うわぁ。まりちゃんやっぱり煽ってる。悪役みたいだよぉ。
九十九遊馬くん、君のことよく知らないけど頑張ってください。
心の中で、まりちゃんではなく九十九遊馬くんを応援していると、デュエルが始まった。
「デュエルディスク、セット!」
彼の掛け声に合わせて、二人のデュエルディスクがカシャンカシャンと展開する。
「Dゲイザー、セット!」
まりちゃんの掛け声に合わせて、二人がDゲイザーをつける。
[ARビジョン、リンク完了]
ディスクから機械音声が流れ、回りにデジタル数字の0と1が現れて消えた。
「「デュエル!!」」
「先攻は貰ったぜ!ドロー!」
YUMA
LP:4000
手札:6枚
モンスター:なし
魔法罠:なし
「……わかってるって!俺はモンスターをセット!カードを1枚セットしてターンエンドだ!」
九十九遊馬くんのモンスターは裏側守備表示。先攻1ターン目としては、無難なスタートかな。
ん?でも誰に向かって「わかってるって!」って言ったんだろう?
YUMA
LP:4000
手札:4枚
モンスター:セット1
魔法罠:セット1
「私のターン、ドロー!」
MARIA
LP:4000
手札:6枚
モンスター:なし
魔法罠:なし
「相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札から『セイクリッド・シェアト』を特殊召喚!」
セイクリッド・シェアト
光 ☆
天使族
DEF/1600
「私は『セイクリッド・カウスト』を通常召喚!」
セイクリッド・カウスト
光 ☆☆☆☆
獣戦士族
ATK/1800
「レベルがバラバラ…エクシーズは次のターンか?」
遊馬くんがそう言うと、まりちゃんはニヤリと笑った。
「さあ、それはどうかなぁ?」
わたしの隣で観戦しているえみたんが、選び放題か…と呟いた。
あ、そうか!2体の効果は…!
「私はカウストの効果を発動!「セイクリッド」モンスターのレベルを1つ上げるか下げる。カウスト自身のレベルを1つ上げる!」
セイクリッド・カウスト
☆☆☆☆→☆☆☆☆☆
「レベルを変えたって、片方はレベル1のままだ!」
遊馬くんはセイクリッド達の効果を知らない。油断しないで!
まりちゃんは自分のターンを進めていく。
「更にシェアトの効果発動!自分フィールド・墓地の「セイクリッド」モンスター1体と同じレベルにする!
フィールドのカウストを選択し、シェアトのレベルを5に上げる!」
セイクリッド・シェアト
☆→☆☆☆☆☆
「同じレベルになった!?」
遊馬くんが驚いた。
「さあ、いくよ!私はレベル5のシェアトとカウストでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
2体が光に吸い込まれ、まりちゃんのエースが現れる。
「障害をこえて進め、光の兵器!敵を除去せよ!ランク5『セイクリッド・プレアデス』!!」
セイクリッド・プレアデス
光 ★★★★★
戦士族
ATK/2500
「ナンバーズじゃない…!?」
また遊馬くんの口から『ナンバーズ』という言葉が出た。
ナンバーズって一体何なんだろう?彼は知っているのかな?
「プレアデスの効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手のカード1枚を手札に戻す!そのセットモンスターを手札に戻す!邪魔者は帰れ!!」
「なっ…!?」
プレアデスが光を放つとセットモンスターが弾け、手札に戻っていった。
「プレアデスでダイレクトアタック!!」
セイクリッド・プレアデス
ATK/2500
「うわぁぁぁぁ!!」
YUMA
LP4000→1500
遊馬くんが大ダメージを受けて吹っ飛んだ。
つづく
ーーーーーーーーーーーー
アストラル「まずは様子見だ。モンスターを伏せるぞ」
アストラル「レベルがバラバラ…だが油断は禁物だぞ、遊馬」
アストラル「レベル5のモンスターが2体…来るぞ遊馬!」
アストラル「何故ナンバーズを出さない!?」
アストラル「手札に戻すだと!?」
アストラルの描写が書けないから補完(笑)
ようやく原作キャラを出せました!今まではゲームのキャラだったからね!うれしい(´∇`)
えみたんは「うわー、カウストとシェアトじゃランク2・3・4・5・6出せるじゃん。選び放題じゃん。えぐいわー」と思っていました←
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!