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第7ターン「WDC予選 恵美奈vs発条@」

あらすじ
・怜衣、ハートピースゲット!
・黒門暗次が怜衣に告白して玉砕
・鳩のフン


☆第7ターン
WDC予選
恵美奈vs発条@



黒門暗次一行と別れた後…。

「いやぁ、ウチの黒門に対するイメージが変わったわ…ははっ」

えみたんは疲れた顔をしながら笑った。

私も疲れたよ。
そして彼の頭に鳩の糞が落ちたあたりで、怖いイメージは完全に消え失せた。

「まぁ、ただの危険人物な不良よりは良かったと思おうよ?」

そう言ってれいちゃんは少し困ったように笑った。
まさかの黒門に言い寄られる展開だったもんね。……振っちゃったけど。

「あとさ、2年のシャークは1年の九十九って子に負けてから、アンティデュエルしなくなって変なヤツとつるむの止めたって噂だし、平和が一番だよ」

れいちゃんの言葉に、私は記憶を掘り返す。

……ああ、そんな話もあったなぁ。

シャークは以前デュエルの全国大会に出場したこともある、ハートランド学園屈指の実力者らしいんだよね。

話題にもならない1年生に負けたなんて、ガセじゃないかとも言われてるけど…実際どうなんだろう?

えみたんが、そういえば、と呟いた。

「ウチ…この間1年の体育の授業をチラッと見たけど、九十九らしきヤツが『かっとビングだ!!』とか言いながら跳び箱20段に突っ込んでって自爆してたよ」

「「アホの子だ……」」

跳び箱20段?跳べるわけ無いじゃん…。
本当にシャークを倒したのかな…?

こんな感じでゆるゆるした雑談をしながら、えみたんのデュエル相手を3人で探した。







えみたんがデュエルすることになった相手は、ハートランド学園1年生の河合マキナちゃん。

デュエルしてる人を探すため、えみたんがDゲイザーを着けて歩いていたら向こうから話しかけてきた。

ちなみに彼女はボクっ娘だった。珍しいね。




「「デュエル!!」」

「先攻はウチだね。ドロー!」

EMINA
LP:4000
手札:6枚
モンスター:なし
魔法罠:なし


…はい。恵美奈視点です。

なんか相手はハートピース完成に燃えてるけど、あたしは(デュエルは好きだけど)そうでもないんだよねー。

大会云々より、好きなときに楽しくデュエル出来てればいいし…。

「手札の『魔導書士 バテル』を召喚!」

魔導書士 バテル
水 ☆☆
魔法使い族
ATK/500

片手に魔導書を持った、眠そうな目をした男の子が現れた。水色と白の聖職者のような服を着ている。

「バテルの効果発動。召喚・リバースした時、デッキから「魔導書」魔法カード1枚を手札に加える。『グリモの魔導書』を手札に加える」

バテルとグリモが無くなったら、このデッキは崩壊する。そのくらい重要なカードだ。

「魔法カード『グリモの魔導書』を発動。デッキから『グリモの魔導書』以外の「魔導書」カードを1枚手札に加える。『魔導書院ラメイソン』を手札に加える。
そしてフィールド魔法『魔導書院ラメイソン』を発動!」

カードをセットすると、ARビジョンで円錐形の高い塔が現れ、周りの景色が一変した。

正に異世界。あたしの「魔導」モンスター達の為の世界だ。

「カードを1枚セットして、ターンエンド」

EMINA
LP:4000
手札:4枚
モンスター:魔導書士 バテル(ATK/500)
魔法罠:セット1
フィールド魔法:魔導書院ラメイソン



「ボクのターン、ドロー!」

MAKINA
LP:4000
手札:6枚
モンスター:なし
魔法罠:なし


「ボクは速攻魔法『サイクロン』を発動!『魔導書院ラメイソン』を破壊するよ!」

竜巻が巻き起こり、ラメイソンのビジョンがぱぁんっと消えた。

「くっ…!ラメイソンの効果発動!
相手によって破壊された時、自分の墓地の「魔導書」魔法カードの数以下のレベルの魔法使い族モンスター1体を、手札かデッキから特殊召喚できる!」

「えぇ!?破壊したら逆にメリット!?」

相手は目を丸くして驚いた。
普通フィールド魔法は存在することでメリットが有るからね。
…ラメイソンもあり続けてくれた方が断然有り難いんだけど…。

「墓地の「魔導書」魔法カードはグリモとラメイソンの2枚。よってデッキからレベル2の『魔導書士 バテル』を守備表示で特殊召喚!」

魔導書士 バテル
水 ☆☆
魔法使い族
DEF/400

「うーんと、じゃあ次は魔法カード『ナイト・ショット』を発動!そのセットカードを破壊するよ!」

セットカードに細い光が当たり、銃に撃ち抜かれるように破壊された。

「くっ…」

セットしておいたのは速攻魔法『トーラの魔導書』。
チェーンして発動したかったが、『ナイト・ショット』に選択されたカードはチェーンできない。

「そしてボクは『ギアギアーノ』を召喚!」

ギアギアーノ
地 ☆☆☆
機械族
ATK/500

カラフルな歯車が重なっていて、それに目と両手を付けたモンスターが現れた。
歯車をギュルギュル回してピースしている。

攻撃力はバテルと同じか…。

「ボクは『ギアギアーノ』で守備表示の方のバテルに攻撃!」

歯車を回転させて転がりながら突っ込んできた。

ギアギアーノ
ATK/500

魔導書士 バテル
DEF/400

バテルは面倒くさそうに持っている本を前に出して防ごうとしたが、勿論無理。
ギアギアーノに轢かれて終わった。

「うわっ!」

そしてあたしにはフィードバックが来る。

「やった、破壊だ!ボクはカードを3枚セットして、ターンエンドだよ!」

MAKINA
LP:4000
手札:0枚
モンスター:ギアギアーノ(ATK/500)
魔法罠:セット3



「ウチのターン、ドロー!」

EMINA
LP:4000
手札:5枚
モンスター:魔導書士 バテル(ATK/500)
魔法罠:なし


まさかラメイソンと伏せカードを破壊されちゃうなんてね…。
面白いじゃん。なんかやる気出てきたかも!

「魔法カード『セフェルの魔導書』を発動。
自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在する場合、このカード以外の「魔導書」カード1枚を相手に見せ、『セフェルの魔導書』以外の自分の墓地の「魔導書」通常魔法カード1枚を選択して発動できる」

セットしたセフェルのカードのビジョンから、黒い靄のようなものが滲み出る。

「ウチは手札の『ヒュグロの魔導書』を見せ、墓地の『グリモの魔導書』を選択。
このカードは選択した『グリモの魔導書』と同じ効果になる」

黒い靄のようなものは、『グリモの魔導書』の形になった。

「グリモになったセフェルの効果で、デッキから永続魔法『魔導書廊エトワール』を手札に加える。
そして『魔導書廊エトワール』を発動!」

ARビジョンによって、あたしの周りの光景だけ異国の建物の廊下になった。少し薄暗い。

「エトワールは「魔導書」魔法カードが発動する度にこのカードに魔力カウンターを置き、自分フィールド上の魔法使い族モンスターの攻撃力は魔力カウンターの数×100ポイントアップする」

魔法使い族はあまり攻撃力が高くないからね。
できれば前のターンで発動したかったけど……ラメイソンじゃなくてこっちを発動しても、『サイクロン』で飛ばされてたか。

「そして『魔導召喚士 テンペル』を召喚!」

魔導召喚士 テンペル
地 ☆☆☆
魔法使い族
ATK/1000

茶色いフードを深く被って顔を隠した、女性モンスターが現れる。

「テンペルの効果発動。自分が「魔導書」魔法カードを発動したターンのメインフェイズ時、このカードをリリースして発動できる。
デッキから光属性または闇属性の魔法使い族・レベル5以上のモンスター1体を特殊召喚する」

テンペルが両手に持っている、煙の出ている杯のような物を振った。

すると煙の量が一気増えて姿が見えなくなった。

「テンペルをリリース!そしてデッキから『魔導法士 ジュノン』を特殊召喚!!」

魔導法士 ジュノン
光 ☆☆☆☆☆☆☆
魔法使い族
ATK/2500

煙が晴れると、露出の高い白装束の女性が現れた。
空中に座って魔導書を読んでいたが、相手を見るとため息をついて魔導書を閉じた。

…バテルといいジュノンといい、やる気があるように見えないのは何故だろう。
そして関係無いが、いつ見てもジュノンは胸がでかい。

「魔法カード『ヒュグロの魔導書』を発動。自分フィールド上の魔法使い族モンスター1体を選択し、攻撃力をエンドフェイズ時まで1000アップさせる。ジュノンを選択」

魔導法士 ジュノン
ATK/2500→3500

ジュノンの持っていた魔導書が、赤い表紙の『ヒュグロの魔導書』に変わる。
ジュノンがペラペラと中身を読むと、ジュノンの体を赤いオーラが包んだ。

「エトワールの効果で、魔力カウンターが1つ乗る。更に攻撃力アップ!」

魔導書廊エトワール
魔力カウンター×1

魔導書士 バテル
ATK/500→600

魔導法士 ジュノン
ATK/3500→3600

「こ、攻撃力…3600!?」

相手が驚くのと同時に、ギアギアーノも驚いた顔をした。


ーーーーーーーーーーーー

ギアギアの使い方がわからないからゲームの展開そのまま書こうとしたら、
黒門程じゃないけどあっけなく終わっちゃったので頑張って考えました。

「魔導書」カードの効果は、大体1ターンに1度しか使えません。

『魔導書院ラメイソン』は、自分のスタンバイフェイズ時に墓地の「魔導書」魔法カード1枚をデッキの一番下に戻し、1枚ドローという効果がありました。
使う前に破壊されました。

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あきゅろす。
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