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第6ターン「WDC予選 怜衣vs暗黒界?A」

あらすじ
・怜衣、相手にやたら睨まれる
・おや…?暗次の様子が…


☆第6ターン
WDC予選
怜衣vs暗黒界?A



「俺のターン、ドロー!」

ANJI
LP:2100
手札:2枚
モンスター:なし
魔法罠:セット1


「モンスターを1枚セットして、ターンエンド」

「え!?」

何も無し!?

なんかじーっとわたしを睨んでるし!逆に怖いよ!

ANJI
LP:2100
モンスター:セット1
魔法罠:セット1




一方の私こと真梨亜と、えみたん。

「あれ?れいちゃん優勢?黒門のヤツ、デスガイド伏せるとかバ……何をお考えなんでしょうか」

バカと言おうとしたが、えみたんは不良たちを気にして言い直した。

「デスガイドってどんな効果なんだっけ?」

「デッキからレベル3闇属性モンスターを特殊召喚する効果だよバカ」

私には気にしないでバカって言うんだね!少しは気にして欲しいなぁ。

そして不良こと黒門暗次のお仲間さん達。

「暗次の様子おかしくないか?」

「だよな?勢いが無いっつーか、デュエルに集中できてないっつーか、もはや舐めプみたいっつーか…」

何やら彼を心配し始めたようだ。




「わたしのターン、ドロー!」

REI
LP:4000
モンスター:イビリチュア・メロウガイスト(ATK/2100)、イビリチュア・ガストクラーケ(ATK/2400)
魔法罠:なし


「わたしは『リチュア・ビースト』を召喚!効果で墓地の『シャドウ・リチュア』を守備表示で特殊召喚!」

リチュア・ビースト
水 ☆☆☆☆
ATK/1500

シャドウ・リチュア
水 ☆☆☆☆
DEF/1000

「バトル!ガストクラーケでセットモンスターに攻撃!!」

イビリチュア・ガストクラーケ
ATK/2400

「クッ…!セットモンスターは破壊されるっ」

暗黒界の尖兵 ページ
闇 ☆☆☆☆
悪魔族
DEF/1300

「続けて、メロウガイストでダイレクトアタック!!」

イビリチュア・メロウガイスト
ATK/2100

メロウガイストが相手に突っ込んでいく。

これが通れば、相手のライフは0になる!

でもあのセットカードは一体なにかな…?

「うわぁぁぁぁ!!」

ANJI
LP:2100→0

「えっ!?」

相手がダイレクトアタックのフィードバックで数メートル吹き飛んだ。

攻撃通っちゃった…。
セットカード…ブラフだったのかな?



REI:WIN



こちら、れいちゃん視点に変わりまして、真梨亜だよ!

「ノー…ダメージ…?」

えみたんがポカーンとしてるよ。私だってビックリだ。

「あ、暗次ー!!?」

「リーダーァッッ!?」

「大丈夫かー!?」

黒門のお仲間が駆け寄って行った。

黒門暗次、彼は何なんでしょうか?
思ったより弱かったなぁ。れいちゃんノーダメージだったよ。

「暗次!どうしたんだ!?」

「いつもとはまるで別人みたいなデュエルだったぞ!!」

一人が黒門を支えて立たせた。

思ったより弱かったんじゃなくて、ただの手札事故か何かで実力を出せなかったのかな?

「とりあえず勝てたよ〜」

れいちゃんが私たちの元に戻ってきた。

「お、お疲れ様…。なんか、ある意味ビックリなデュエルだったよ!」

本当に相手が酷すぎてビックリだった。

「相手が舐めプなんだかプレミなんだか事故なんだか分からなかった。最後の伏せはブラフかな?」

そう言ってえみたんはため息をついた。

「わたしもビックリしたよ〜。じゃ、次はえみたんのデュエルにゴー!!」

れいちゃんが私とえみたんの手を引いて、この場から離れようとする。


「待て!!」


振り替えると、黒門がふらつきながら近づいてきた。

何をするつもりだろう?

れいちゃんが私たちの手を離した。
距離を空けるため後退りする。

ま、まさか負けた腹いせに殴って来たり…!?

「待て。水谷…」

「ひっ」

れいちゃんがビクッとした。

や、やっぱり負けた腹いせに…!?

「れいちゃん逃げて!!」

私が二人の間に割って入る。


「好きだ」


「「「え?」」」

黒門が予想外の言葉を放った。

私たちの目が点になる。

黒門は私を押しのけてれいちゃんに近づいた。

そしてそっと両手をとった。

「俺の女になってくれ」

「え、えぇぇ…?」

黒門の頬がうっすらピンクに染まる。

れいちゃんは耳まで真っ赤。


な ぁ に こ れ ぇ ?


黒門は静かに語りだした。

「数ヶ月前、学園の窓から外を見るお前を見たんだ。その顔を見てから気になった。それからたまにお前を見かけて、そいつら二人と楽しそうにデュエルしてるのを見て…
気付いたら惚れてた」

窓から外見てたって…。それ多分、幼児を探してたんじゃないかなぁ…。

「今日は相手を探してるとこに偶然居合わせて、他の有象無象とやらせるのはムカつくから名乗り出た。
だが目の前のお前が気になりすぎて…お前ばっか見ちまって…全くデュエルに集中できねぇ。…その結果あのザマだ」

あぁ…手札事故じゃなくて、集中できなくてプレイングミスだったのか…。

というか睨んでたんじゃなくて、ただれいちゃんを見てただけみたいだね。目付きが悪いだけか。

正に『あのザマ』。ミスが多い私が言うのも何だけど、あれは酷かったよ。

これを聞いたお仲間達が、何故か涙を流す。

「あ、暗次ぃぃぃ!お前恋してたのかぁぁぁ!!すまねぇ!全く気付かなかったぜぇぇ!!」

「なんてこった…今晩は赤飯だな」

「デュエルに集中できなくなる位好きなんて……青春だなぁぁぁ!!」

ごめん。どこに泣く要素があったのかわからない。わからないよ…。

「これは酷い…」

えみたんは呆れてるよ。

お仲間が涙を袖で拭いながられいちゃんに言う。

「おい水谷!暗次と付き合ってやってくれ!!」

「「リーダーは一途だぜ!!」」

「え!?」

れいちゃんが驚く。

「暗次は今まで恋なんてしたことが無かった!初恋なんだ!」

「で、でも…」

「リーダーは本当はデュエルが強いんだ!!でもお前が好きで好きで集中できなかったから負けちまったんだ!!」

「そんなこと言われても…」

「「「頼む!!」」」

このお仲間達、息ピッタリだなぁ。
黒門も本気でれいちゃんが好きみたい。

「れいちゃん、どうなの…?」

みんなれいちゃんの発言に注目する。

鳩が私たちの上空に差し掛かった時、

「ご、ごめんなさい…」

小さな声でれいちゃんは言った。

それと同時に、

鳩が黒門の頭上にフンを落とした。

「「………………」」

「「「………………」」」

私達も彼のお仲間達も黙ってしまった。

私は生まれてはじめて、こんなに悲しい光景を見た。

泣きっ面に蜂。いや、泣きっ面に鳩の糞。しかも好きな子の目の前で。
…蜂に刺されるより可哀想。

「そう…か」

黒門はれいちゃんの手を離した。

「悪かったな、急に。……それと、俺のハートピースだ。本戦目指して頑張れよ」

「ごめんね…。ありがとう、頑張るよ」

黒門はハートピースを渡すと私達に背を向けた。

「お前ら!とりあえず銭湯に行くぞ!!」

「「「おう!!」」」

頭に落とされた鳩の糞を落としに行くらしい。

「あ、待って!」

れいちゃんが去ろうとする黒門を引き留めた。

そしてスカートのポケットから何かを出し、黒門に差し出す。

「これで頭拭いて」

ポケットティッシュだ。
そっか。鳩の糞が付いた状態で歩くのは辛いからね。社会的に死んじゃうね。

「水谷……」

数秒れいちゃんを見つめたあと、受け取った。

「…サンキュ。助かるぜ」

「どういたしまして。じゃあね」

れいちゃんはそう言って笑った後、私とえみたんの手を引いて歩き出した。


「水谷!

俺、諦めないからな!」


そう後ろから黒門の声がした。

私は鳩の糞さえ無ければ格好いいのに…と思った。


つづく
−−−−−−−−−−−−

暗黒界よくわからないので、デュエルをゲームと同じにしたら、黒門があんまりにもあんまりだったから「調子が出なかったんだよ」展開にしました。

そしたらそれはそれで酷い事になった。ごめんよ黒門。

次はえみたんのデュエルだぜ!!
魔導書だ!!

一応ヒロインカードは、
真梨亜→グレディ
怜衣→エリアル
恵美奈→ジュノン
ってなってます。

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