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うちらのイッシュ旅行記・07
−うちらのイッシュ旅行記−
〜第7話〜



「そろそろ…か」

マクノシタのトレーナーが不敵に笑った。

「マクノシタ、『はらだいこ』だ!」

どこどこどこ…

マクノシタが自分の腹を叩き、自分を痛め付ける。体力を削ることで攻撃力を最大まで上げた。

「そして『ちきゅうなげ』!!」

「まっく…したー!!」

マクノシタがドッコラーを持ち上げ投げ飛ばした。

ドガァッ

砂煙が上がる。目を凝らして見ると、ドッコラーは角材と一緒に頭から砂に突き刺さっていた。

その時、マクノシタの体が光った。

「来たか…進化の時が!」

マクノシタのトレーナーが叫んだ。


「マクノシタ…いや、ハリテヤマ!!」


光が止み、マクノシタはハリテヤマに進化した。

「ハーッリッッ!!」

ハリテヤマは力強い鳴き声をあげる。

それからのしのしと歩いて近づき、ドッコラーの足を引っ張ってひっこ抜く。

ドッコラーは目を回してひんしになっている。

プラズマ団員は「ひっ」と短い悲鳴をあげた。

「さてと、お前達、俺からマクノシタ…今はハリテヤマだが…を解放するとか何とか言っていたが、お前らが『プラズマ団』か?」

マクノシタのトレーナーが睨みながらじりじりとプラズマ団員二人に近付く。

「「くっ…」」

二人は悔しそうな表情をし、

「撤退だ!」

「一時退散よ!」

「「プラーズマー!!」」

ドッコラーをボールに戻し、チョロネコを抱えて出口に走る。


しかしそこには様子を見ていたサツキがいる。


「……逃がさ、ない」

サツキは瓦礫の影から出て通路を塞いだ。

「……そのメリープのボール、返して貰う…」

プラズマ団員は足を止めた。

前にはサツキ、後ろにはハリテヤマとそのトレーナー。左右は遺跡の壁。

彼らに逃げ道は無い。







砂嵐の中、ミヅキは赤くて丸いポケモンに着いていくと、倒れている男性をを見つけた。

白衣を着ていてマスクをつけている。近くに赤十字のマークの入った鞄が落ちていることを考えると、医者のようだ。

「医者が倒れているなんてな…。医者は助ける側だろ普通…」

「まっか!まっか!」

ポケモンはぴょんぴょん跳ねて何かを訴えている。

「この人を助けて欲しいってことか?」

「まっか!!」

ポケモンは頷いた。

「なるほどな。お前の体じゃとてもじゃないが運べねぇもんな」

ミヅキは男性の腕を首に回し、腰を支えて立ち上がろうとする。

「う゛っ…」

がくっ
ぼさっ

出来るわけもなく、倒れて男性の下敷きになった。

「くっそ…やっぱだめか。頭脳戦が仕事の天才みー様に肉体労働なんかできるわけ無かったわ…」

「ま、まっかぁ…?」

ポケモンは泣きそうな顔をする。

「大丈夫だっつの。やっぱコイツに頼るしかねえな。出てこい!」

ボンッ

ボールからジバコイルを出した。

「ジバコイル、この人を町まで運んでくれ」

「ジジジ…」

ジバコイルは頷いて男性の体を左右のユニットで挟んで抱えた。

「よし、じゃあ一緒にヒウンまで行くぞ!」

「まっかぁ!」

ミヅキは赤いポケモンと一緒にヒウンまで戻ることになった。







「……わりぃジバコイル、上にみーを乗せてくれ。もう走れねぇ…。あ、お前は頑張ってついてきてくれ」

「ま、まっか!?」


続く

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