[携帯モード] [URL送信]

本棚
赤の名を持つ彼を探して(3)

バトルするときかないリカに付き合い、探偵団メンバーとグリーンは事務所の外に出た。

「まったく…本当にバトルするのか?」

グリーンがリカにそう聞くと、リカは怒りながら答えた。

「するったらするの!!男に二言はない!!」

「お前女じゃねえか」

「…そうだった!……じゃあ、なんて言えばいいかな!?」

「いや、知らねえよそんなの…。(実年齢以外は本当にガキだなこいつ…)」

グリーンはリカの扱いに困っている。

「あ〜!そうだ、審判がいるよ!みーに頼んでくる!!」

リカはそう言ってグリーンから離れ、ミキのもとに行った。
グリーンはその様子を見ていて、やはりリカはガキだと思った。

するとマキがグリーンに近づき言った。

「すみませんグリーンさん。リーダーとバトルになってしまって…」

マキはグリーンに頭を下げた。

「いや、別にかまわない。…まあ、手は抜かないけどな」

「ありがとうございます。ボコボコにしてもらっても大丈夫なので、お願いします」

とても嬉しそうな笑顔のマキ。だがグリーンはその笑顔が怖く感じた。





そしてバトルが始まる

審判をすることになったミキが言う。

「じゃあこれからリーダー対グリーンのバトルをやるぞ。…フルバトルは時間がかかるから、使用ポケモンは二体な。入れ替え自由で、二体とも戦闘不能になった方が負け。…あ〜面倒くせえ…

…小さな声で本音が漏れた。面倒くさい、という顔をしている。

「じゃ、バトルスタート!」

ミキの掛け声で、リカとグリーンはモンスターボールを投げた。



ボンッボンッ

ボールが開き、ポケモンが飛び出す。

「いっけえ!ゴクリン!!」

「頼んだぜ、サイドン!」

リカのポケモンはゴクリン、グリーンのポケモンはサイドンだ。

「サイドン!?うわー、じめんタイプじゃん!」

ゴクリンはどくタイプ。じめんタイプと相性が悪い。


リカはそんな反応をしているが、ユウナは…

「グリーンさん頑張って〜!」

黄色い声援をグリーンに送っている。


「ちょっとおおおお!うちを応援してよ!!」

ユウナに対し講義をするリカ。


リカがよそ見をしている隙に、グリーンは…

「サイドン、『つのドリル』だ」

容赦なく技を命令。



ギュイィィィン

ガガガガガ…



サイドンのドリルが高速で回転し、ゴクリンに襲い掛かる。

ゴクリンはリカの支持を待っていたため反応が遅れ、ドリルは直撃した。


「mvfkj:あldpsふじこ」


「ゴクリぃぃぃぃン!!」


謎の悲鳴をあげるゴクリンと、叫び声をあげるリカ。

ピピーッ

ミキが笛を吹いて言った。

「ゴクリン戦闘不能〜!」

リカはゴクリンのボールを出した。

「戻れゴクリン…。うぅ…ゴクリン…」

パシュウン

ゴクリンをボールに戻したリカ。涙目である。



探偵団メンバーの反応は…

「……サイドン強い…。僕もグリーンと戦ってみたいかも…」

「リーダーったら、よそ見してるからですぅ。それにしても、サイドン強いですぅ!」

サツキとユウリは完全にバトル観戦を楽しんでいる。

「きゃ〜!グリーンさんカッコイイ〜!!」

「グリーンさん勝ってくださいね〜!」

ユウナはすっかりグリーンのファンになっている。
マキもグリーンを応援している。



誰もリカを応援していない。



「ううぅ…バトルはこれからだもん!!いっけえ、クチート!!」

ボンッ

リカはクチートを出した。お気に入りの一体である。

「戻れサイドン。いけ!ピジョット!!」

パシュウン

ボンッ

グリーンはサイドンを戻し、事務所に来るときに乗ってきたピジョットを出した。

「ピジョット、『つばさでうつ』!」

「クチート、『てっぺき』だよ!!」



ガギイン…



防御力を上げ、クチートは攻撃を耐えた。

「よし!クチート、『かみくだく』!」

「『フェザーダンス』だ!」

クチートが頭の大きな口を開きかみつこうとする。

しかしピジョットはそれをよけ、空中でダンスをした。
ピジョットの翼からぬけた羽がひらひらと宙を漂う。

「クチート、もう一回『かみくだく』!!」

ガブッ

『かみくだく』はきまったが、『フェザーダンス』攻撃力を下げられたため、思ったほどダメージは与えられなかった。

だが、ピジョットを捕えることができた。

「よーし、そのまま地面にたたきつけちゃえ!!」

クチートはピジョットをくわえている顎を振りかぶる。

その時グリーンはピジョットに指示を出した。

「ピジョット、『はがねのつばさ』だ!」

ガギイッ

ピジョットは翼を鋼のように硬くし、クチートの巨大な顎を攻撃した。

クチートは衝撃でピジョットを離してしまう。ピジョットは自由になった。

「『ゴットバード』!!」



バキイッッ



ピジョットの攻撃を受け、クチートは倒れた。戦闘不能だ。

ピピーッ

ミキが笛を吹いた。

「クチート戦闘不能〜。よってグリーンの勝ち〜!」







「負けちゃったぁ……」

リカは膝をついて涙目になっている。

「相手はジムリーダーの上に、殿堂入りしてる人ですぅ。リーダーが勝てるわけなかったんですぅ」

ユウリがリカに声をかけた。

「ゆうちゃん酷い…勝てるわけないなんて…。このままじゃ、うちはグリーンに豆粒ドチビって言われちゃうよ…」

「いやいやいや、まさかそんなこと無いですぅよ」

「そうかな?」

「そうですぅよ。グリーンさんは私達に依頼があって来たんですぅ。そんなこと言わないですぅ」

「…………」

「さ、早く事務所の中に戻ろうですぅ」

「うん……」

ユウリは何とかリカをなだめた。



つづく

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!