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Nの旅〜Nとレッド〜B

※注意※
キャラのイメージが壊れるのが嫌な人は此処でとんぼがえりしましょう。




−Nの旅−〜Red〜3




Nはポケモンの言いたい事がわかるらしい。

なら、僕は確かめたい事がある。

「ねえ、何て言ってる?…僕に、山から降りろ、とか言ってるかな?」

「……………。」

Nはフシギバナの目をじっと見つめる。

そして目線を僕へ移して言った。

「君のフシギバナは今…『お腹がすいた』って言っているよ。山を降りろとは言っていない。」

「……そっか。」

僕はフシギバナの頭を撫でる。

フシギバナを含め、みんな僕の我が儘に付き合わせてしまっている。それに対してどこか後ろめたい気持ちがあった。…勿論今も。

でも今のNの言葉を聞いて、少しだけ気持ちが楽になれた。

「…さて、ご飯にしようか。」

僕が立ち上がるとフシギバナは嬉しそうに目を輝かせた。朝ご飯もちゃんと食べたくせに。…そんなにお腹がすいてたのかな?



ポケモンが何を思っているか知ることができたら、どんなにいいだろう。



「……解放…。」



ポツリとNが呟いた。

「え?」

「"全てのポケモンの解放"。…かつてボクが追い求めていた理想だ。」

いきなりどうしたんだろう?
Nはどこか懐かしむように話す。

「今はそれが正しかったのかどうかわからない。…けれどその時はそれが正義だと信じて疑わなかった。愚かな事にね。」

Nが僕を見て言う。

「……レッドはどう思う?

『ポケモンに酷い事をし、いらなくなったら捨てる。そんな事をするトレーナーがいるなら、"全てのトレーナーからポケモンを解放する"』という考え方を…。

"ポケモンは人間と一緒にいてシアワセなのかな?"」

「それは……っ。」

ドキッとした。誰かに自分の心臓を捕まれたような感覚がした。

Nの考えは…誰もが一度は考えるものの、考える事から逃げてしまうものだ。

誰もがそれを考える事を自分のなかで禁忌としてしまう。

「……レッド?」

Nが僕の目を見る。

………怖い。

だってNの質問は、僕自身もタブーとしてきたものだから。

それを聞いてくるなんて…。

「………それは…。」

僕は口を動かす。答えなければ。

「僕は……」







……僕は−−−

















なぜかその質問は、

今までポケモンと過ごしてきた時間を、人を……

全てを否定してしまうような気がするんだ。



















「その考えは間違っているとは思わない。実際人間によって苦しめられてるポケモンはいるしね。

人間と一緒にいるポケモンが幸せかどうか聞かれても、僕は答えられない。……不安になる。」

それでも、僕は





「それでも僕はポケモンと一緒にいたい。」





これが僕の思いだ。



「……そうか。」

Nが柔らかく笑った。

「それがキミの答えなんだね。」

Nは立ち上がって、僕に背を向けた。

「答えてくれてありがとう。……ボクはもう行くよ。」

Nが歩き出すと、Nの前にいるレシラムは翼を大きく広げた。

「え…?」

僕はついNへ向けて手を伸ばそうとして

…やめた。

Nは多分……旅をしているんだ。引き止めるわけにはいかない。

レシラムの背中に乗ったN。レシラムは大きく羽ばたいた。それによりまわりに積もっていたが舞い上がる。

真っ白な場所の真っ白なドラゴンポケモン、絵になるなぁ。そう思った時、Nが僕を見下ろした。逆光で表情はよく見えない。

そして大きな声で言った。

「レッド!!モーモーミルクおいしかったよ!サヨナラ……じゃなくて、えっと……



"またね"!!」



そう言ったNの顔は、多分笑っていたんじゃないかな。

僕も大声を出してNに言う。

「N!!またどこかで!!」

そしてNとレシラムは空高くどこかへと飛んで行った。

……たった1日の付き合いだったけれど、多分僕はNの事をずっと忘れないと思う。


おわり

−−−−−−−−−−−−

終わりです。

なんか消化不良感が酷い。書きたいこと詰め込んだらイミフな文になりましたよ(爆)

BWって今までのポケモンファンへ禁忌の質問投げかけてるよね、みんなどうおもうのかな?って話。


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