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Nの旅〜Nとレッド〜A
※注意※
前話に引き続き、BWのエンディング後のNくんの妄想です。
キャラのイメージが壊れる危険性があります。
嫌な人は此処でとんぼがえりしましょう。
−Nの旅−〜Red〜2
真実の竜と理想の竜がぶつかり合ったあの城での決戦。
その後、僕は「サヨナラ」と言って飛び立った。
けれど、本当に伝えたかったのは別の言葉だったんだ。
まわりは白一色。空は灰色。
「雪……か。」
ボクはレッドという人に出会った。
真っ赤な瞳が印象的な、このシロガネ山で過ごしているただ一人の人物。
あれから、レッドの『いたいならいれば?別に僕の山じゃないし。』という言葉に甘え一晩泊めてもらって一緒にいる。
レシラムはボールから常に出している。
時々ボクに『寒くないか?』と聞いてくるけれど、大丈夫だ。
「N、はい。」
向かいに座るレッドが僕に湯気がたっているマグカップを差し出してした。
「なんだい?」
「飲めば?ホットモーモーミルク。」
そう言ってレッドは逆の手に持つマグカップのホットモーモーミルク(つまりは温めたモーモーミルク)をズズっと飲んだ。
レッドの隣のリザードンがふんっと得意そうな顔をして言う。
『オレの炎を使ったんだ!うまいぞ!!』
…さっきレッドがリザードンの尻尾の炎で温めていたのはコレか。
リザードンは本来のトレーナーと離れ、レッドと一緒にいるらしい。それでも本来のトレーナーとレッドの両方を信頼している。どちらも本当にいいひとなのだろう。
「リザードンがそう言うならいただくよ。」
ボクはレッドからマグカップを受け取った。レッドは不思議そうな顔をしている。
「『リザードンがそう言うなら』…?」
レッドはほんの少し首を傾げた。
まずい。話題を変えないと。
最近ようやくわかった。ポケモンと会話ができるなんて、すぐには信じてもらえない。先ずは怪しまれる。
ボクはホットモーモーミルクを飲んだ。
「温かくておいしいね。」
それにほんのり甘い。体の芯からぽかぽかしてくる。
「でしょ?ついこの前、搾りたてを貰ったからね。」
レッドの表情が少し優しくなった。
「あと一杯分ならあるよ。」
レッドがビンに入ったモーモーミルクを僕に見せる。量はビンの半分ほどだ。
リザードンがレッドの持つモーモーミルクのビンに顔を寄せる。
「?…どうしたリザードン。」
『オレにはくれないのか?』
こつこつとビンに鼻先を当てるリザードン。
「眠いの?」
『いやいや!別に眠くなんかないぞ!』
ボクには聞こえるリザードンの声が、レッドには聞こえない。
レッドは的外れな事を言っている。
「…………リザードンはモーモーミルクが飲みたいらしいよ。」
我慢できずに、ボクは早口でレッドに言った。
「え?」
レッドがきょとんとボクを見る。ボクはつい顔をそらす。
ダメだなぁボク。またやってしまった。
「……………。」
少し黙った後、レッドはビンを開けてモーモーミルクを深めの皿に移した。
「リザードン、ほら。」
それをリザードンの前に置く。
『ありがとよ。』
リザードンは嬉しそうにレッドにお礼を言い、ぱちゃぱちゃとミルクを飲む。
その姿を優しい目で見るレッド。
お互いを思いあっている、いいトレーナーとポケモンの姿……。
こういう光景を見ていると、あの頃自分が理想としていたものが間違っていたのではないかと思ってしまう。
「N。」
リザードンを見ながらレッドが話しかけてきた。
「なんだい?」
「他のポケモン達は、僕に何て言ってる?」
「…!!」
「君はリザードンが何て言ってるかわかるんだよね?それなら、他のポケモンが何て言ってるかわかるよね。」
レッドが真っ直ぐボクの目を見る。
今のレッドの目…。
どこまでも赤い瞳…。
何でも見てきたような、全てを見てきたような目。なぜかそんなふうに思えてしまう。
信じてる…のか?ポケモンの声が聞こえるって。普通、初めは疑うものなのに。
本当はあの時…
「またね」って、言いたかったんだ。
次に会う時までにはきっと、
ボクの"新しい答え"を見つけておくつもりだよ。
つづく
−−−−−−−−−−−−
Nくんとレッドさんの話PART2。
かつて「チャンピオンを超える」と言ったN。(言葉通りアデクを倒しましたね。)
そして、かつてカントーのチャンピオンを超え最強の存在となったレッド。(レベルがチートww)
個人的に不思議な感じがします。
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