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リク3
心の鎖(宍鳳)桔梗さん
「長太郎は、誰のモノだ?」

頭に響いたそのセリフ。聞き覚えのある声。無機質な感情。深い、闇。

「俺は、宍戸さんの…モノです…。」



俺は監禁されていた。どこかも分からない。目隠しをされているから。

身体も思うように動かない。縛られているのだろう。



「そうか。俺のモノか。」

目隠しが外される。そこにはいつもと変わりない宍戸さんの姿。さっきの声が嘘のようだ。

「長太郎、長太郎…俺のモノ、だ…。」

「宍戸…さん。」

目を、見開いて俺を見る。背筋が凍った。



「ぁ、宍戸さん?何…?」

「日課。」

するするっと俺の身体に絡む腕。恐怖が俺の心を支配する。縮こまると宍戸さんが不思議そうに俺を見つめた。

「何か、嫌なモンでもいるのか?」

「…違います…っ何でもない…です。」

「それとも…俺が嫌か…?」

顔がぶつかるくらいに近く、宍戸さんが近づく。またも目を見開いて。微かに引きつった声が出た。

「…っひ…。」

「でもさっき…俺のモノだって言ったもんな…。」



見開いたまま、ニタリと笑った顔は、もう知らない人の顔に見えた。

こんな表情知らない。こんな宍戸さんは知らない。



「…んっ、ん…んっ、やぁ…ッ…。」

「嫌?そんなわけねぇよな。」

「…ぁ、ふ…っ…。」

「イイ顔してるもんよ…。なぁ?」

ナイフが取り出され、服を引き裂かれた。自分には当たらなかったが恐くて涙が出てきた。

キスは、あったかかったのに。

「長太郎…好きだぜ…。」

「…ぁん、ん…っや…ぁ…!」

「……スゴいな…乳首、一気に固くなって…エッチだ。」

「…ッは…ぁあ、あっ……!」

何だか冷たい。感じる体温とか、感情とか、行為が。

「…お願い…っ、痛いのは…嫌、です…。」

「ん?ああ、痛くされるかもって震えてたのか?安心しろ。痛い事はしねぇよ。」

「…ぁうっ…く、ぅあ…ッは…。」



こんな風に監禁されているのに、身体は宍戸さんを喜び、気持ち良くなってしまっている。

どうして、こんな。俺は、望んでないのに。



「こっちも硬いな…。」

「…んっく、ぁっあ…ッん…はぁっ…。」

「苦しくしないでイカせてやっから…。」

「…はぁっ、はぁっ…ぁ、あっく…んんっ…!」

しごかれて、更に硬度を増す。それは、俺に絶望を与える。

「…愛してっぜ?だから…誰にも…。」



余りにも狂気に満ちた顔で。まるで好きなら何でもする、といった表情。俺が逃げたら俺を殺すかもしれない。



「ぁあ、あっ!」

「誰にも渡さねぇ…。」

誰かの所に逃げ込めばその人を惨殺するかもしれない。そんな不安を掻き立てる宍戸さんの表情。

「ぁあああッ!!!!」



やっぱり知らない人のようで。俺は恐くて奥歯がガチガチとなるのを感じた。

「次は…慣らすぜ?痛くしねぇから…怯えるな…フッ…ククク。」

「…ぁ、あっ…ん、やぁっ…ひ、ぅッ…!」



ローションでも使ったのだろう。ヌルリと一本、宍戸さんの指が入ってきた。

好きな場所を引っ掻いて進んでくる。そのたびに悦んでしまう身体。

誘うように身体をくねらせてしまい、目の前の宍戸さんが苦笑する。

「…あんっ…そこ、ダメッ…ぁ、はっ…。」

「何がダメなんだ?こんなに悦んでるじゃねぇかよ。」

「…また、来ちゃう…っの…ぁ、あっあ…!」



このまま流されてはいけない。宍戸さんをもとに戻さなければ。

たとえ殺されそうになったとしても、このままでは誰も救われない。

何かアクションを起こさなければ。



「もうイイか。入れるぜ?」

「ぁうっ…ぅう、うっ…はぁ、あっ…ァ…!」

意識が霞む。快感に身を委ねたくなる。気持ち良さに、負けそうだ。

「ね、宍戸さん…ぁ、あっあ、は…!」

「ん?」

「好き…ひゅきっ…だから、っ腕…といて…!」

「何で?」

「ぁあ、あっ…抱き、締めたいッ…よぉっ…ぁ、はぁっあ…!」



何でもイイから正気にさせたい。どうしたらもとに戻せるのだろう。



「そうか、なら。」

「…好き、なのぉっ…だから、こんな風に閉じ込め、ぁあっ…なくてもぉッ…!」

「っ、ん?」

「俺は全部宍戸さんのモノだからぁッ…ひ、ぁっあ、あ…好きにしてイイからぁ…!」

ぎゅっと抱き締めてから、俺は平手打ちを宍戸さんに一発入れた。

「ッ!…っつー…何、だよ…長太郎…。」

「目に見えるもので閉じ込めたってダメ…ッ!もう、とっくに宍戸さんのだから…。」

「…そう、か?…そう、なのか…。俺は…。」

「ね?お願い…っ俺は逃げないから…自由にして…。」

困惑した宍戸さんの表情。それでも宍戸さんは足の拘束をといてくれた。俺は全身で抱き締めた。

「続き、してください…。イキたい…。」



「…………。」



「俺は嬉しいです。宍戸さんに愛してもらえて…。」

「…ごめん、な。俺…見失ってた…怖かった…。」

心の隙間に入り込んだ闇を取り払うように。俺は抱き締めた。宍戸さんも解ってくれた。

「長太郎…すまねぇ、ありがとう…。」

「ぁ、んっ…ふ、ぁあっ…ぁ!」

あたたかみが包む。俺を、宍戸さんを。恐怖心が、消えてゆく。

「…ぁ、あっあ、は…んんっ…!」

「ん、出すぜ?」

「…俺も…っ…イッちゃ…!」

「くっ!」

「…ぁあああッ…ッ…!!!!」





あったかい気持ちで満たされて、俺は嬉しくて笑顔になる。

最初は怖かったけど、それだけ宍戸さんが思ってくれていたわけだし。

「あーもー…なんつー事しちまったんだ、俺…。」

「俺も、宍戸さんを閉じ込めたいッスよ?」

「もう閉じ込められてる…。」

「…ふふ。ですよね?…それでいいんです…っ…。」

ニコニコする俺を不審がるように覗き込む宍戸さん。

「一緒、ですよ。」

「そ、か。うん…でも…ごめん、な。」

「ん、もういいですって。愛が溢れただけですもん。ね?」



宍戸さんが苦笑する。このバカはもう一度痛い目見ないと分からねぇんだな。俺が見てないとダメだ、だって。

「宍戸さんしか見てないですっ。」

どうなるか不安だったけど、アクションを起こしてよかった。もう、好きな人の怖い姿は見たくない。

そして、あったかい宍戸さんが、大好きだから。



END
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キリ番「291192」桔梗さんリクエスト。宍鳳、ヤンデレ宍戸監禁、シリアス最後はハッピー…というリクエストでした。
シリアスにと思ったら宍戸さんがホラーになってしまいました。怖いですよ目を見開いて近づかれたら…。
叩かれた事によって元に戻りましたがもし戻らなかったら今頃…。想像したくないですね><
なにかございましたら、返品どうぞ。

リクエストありがとう御座いました。
こんなものですが、感想頂けると嬉しいですv
write.2009/05/26

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