" スキ " のかたち 気付き始めた思い (翔side) 「向井さんっ. . . ?」 上司の乾杯の声が響いて、ジョッキを合わせようと隣に目を向けた。 そこには、なんだかわからないけど、嬉しそうに。幸せそうに。いつもと違うふんわりした雰囲気で笑う向井さん . . . 僕は、一瞬で目を奪われてどのくらいたったのかわかんないけど、胸の意地悪な部分がくすぐったくなって、わざと声をかけた。 「向井さん? . .どうしたんですか? 」 「ぇ、。ぁなんでも. . . なぃ。」 案の定、真っ赤になってちょっぴりどもる。 そんなところを見て、" この人をそばに置きたい。 "なんて、不覚にも思ってしまった。 男同士の経験はないけど、そんなの関係ないと思った。 でも、そう簡単に行かないということも同時にわかっていた。 僕は、感情を隠して仲のいい先輩と後輩になろうと決めたんだ。 [*前へ] [戻る] |