05
「あの…葉月は?」
「へ?」
「葉月…妹の…」
「あ…あー、そんなことになってるの」
「えっ」
「きみ、五葉くんか」
長い髪をポニーテールにした、怪しさ抜群の男(その2)って感じ。
その男が俺を指差す。
「なんで名前…」
「四五五葉、現在15歳。市立橋南高校の一年生。妹と二人暮らし…あ、なるほど」
何やら紙を見ながら頷いている男。
なんか…イライラしてきた……
一人で勝手に話進めてるし!
「おい!俺の妹はどうなってんだよ!!」
「さぁ。お家にでもいるんじゃない?」
「はぁ!?」
「誘拐なんてシチュエーションを考えたのは間宮だからね。ほら、会ったでしょ。オカッパ頭の」
え…さっきの、タクシーの運転手か?
「こっちからは五葉くんを呼んで来てくれとしか言ってないし」
「じゃ、じゃあ…これは!?」
俺はパンフレットに挟んでいた写真を突き出す。
キッチリ葉月が写って……
「へー。モロ合成だね」
「…えっ」
「君の妹さんの顔と、別人の体を合成したんじゃない」
「だ、騙されないからな…!」
「ていうか普通、そんな早く現像できないと思うけどね」
「………」
もう一度、よくよく写真を見返す。
いや、葉月にしか見えない。葉月だっ…
「んっ?」
あれ…なんか…首の途中で微妙に色が違うような…
気がしないでもない…
かも…
「って、狙いは俺!?」
「反応にっぶー」
え、けなされた……
っていうかやっぱり、どうなってるのかわからないっ!
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