バカップルですが何か!!
wherever I think U
「悪いっ…今日も…」
「…またバイト?」
「…ごめん。」
「…っ!!もう知らないからっ!!」
「え、あっ…由紀!!」
私は早川由紀。
ピチピチの16歳。
今話してたのは戸田海斗、18歳。私の"元"幼なじみ。…今は私の彼氏さんです。
だけど最近悩みがあって…
「何、またフラれちゃったの?」
「う〜っ!!比奈のバカ!!」
「なんで私がバカって言われなきゃいけないのよ…」
そう、最近海斗が冷たい…
一緒に帰ろうとか言ってもバイトだからって断られてる毎日。
…私に飽きちゃったのかな…
「ハァ…」
みるみる萎んでいく私に比奈が慌てて話し出す。
「別に浮気って決まったワケじゃないじゃないの!!ね!?」
浮気、か。
海斗が他の女の子と一緒に歩いているのを想像する。
…―心臓にチクリと痛みが走った。
一人とぼとぼ帰る道は凄く遠くて寒かった。
海斗が隣にいる時はこの道が短くてもっと長ければいいのにとか、寒くても寄り添って歩けば温かだった。
寂しい。
ふとこちらに向かってくるカップル。二人とも笑顔で、付き合いたての私たちを見ているようで…―見知らぬ彼らに嫉妬した。
そんな余裕もない自分に気づかされて、私の中の海斗は本当に大きい存在なんだなって改めて思い知った。
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