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Eternally Love 〜永遠の恋〜
名も無き出会い

僕は見慣れない道をただただ走っていた。

僕の父はこの国の文官の一人だ。
平民の出なのに真面目な態度が評価されて出世した僕の自慢の父だ。



だけど、そんな父さんにもちょっと抜けている所があって。
今日は何故かお母さんの作ったお弁当を家に忘れて、仕方なく僕がお使いに城まで来たのはいいんだけど…。

いつのまにか迷ってしまっていた。


何分初めてのお城だからね。

誰かに聞きたかったんだけど、みんな忙しそうで聞きにくくなっちゃった。
挙げ句のはてに迷っちゃったんだ。


僕がどうしようか、と悩んでいると、ふと小さな庭園を見つけた。
その庭のほのぼのとした雰囲気に僕は今まで走っていた疲労感を急に感じて、ふらふらと導かれるようにそこにあったベンチに腰掛けた。

噴水の水はとめどなく溢れて、
花たちは風に揺らめいて、
蝶々がひらひらと舞って、
鳥たちは空を飛び交っていた。

まるで絵本から切り取られたような風景に僕はほう、と息を吐いて空を仰いだ。

流れる雲が今日はゆっくりだった。


「ねぇ。」

「っうわぁ!!」

時を忘れて見入っていると、ふいに上から顔を覗き込まれた。

心底驚いた僕は勢いあまって、寄り掛かっていたベンチごと芝生の上に倒れ込んだ。






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