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02
 

 キレて殴りかかってきたのは、茶髪を盛った男。
 あー買い物袋あるんだったーと暢気にどうしようか考えながら、車通らないし、と向かってきた男の拳をしゃがんで避けそのまま足払いをする。
 もろに受けた男がバランスを崩した一瞬で袋を端に避難させ、払ったその足でまた男に同じく足払い。
 後ろによろけていた男は、別方向からの足払いに前のめりになって地面とこんにちはした。
 顔面から突っ込んだ男は呻いた後に起き上がることはなく、素早く立ち上がる。


「てめ…っ」


 それを見ていた残り二人は驚いた顔を一瞬で睨みに変え、揃ってこっちに向かってくる。
 卑怯なー、とは思いつつどうするか考えてとりあえず構えたまま動かないでいると、左右から手足が流れてきた。

 金髪の男が手を、黒髪の男が足を向けたので、金髪の手を手で弾いて同時に足を跳んで避ける。
 片足で着地した流れに乗って金髪に裏拳、黒髪に足蹴りを食らわしてから、今度は金髪に足を、黒髪に拳を飲み込ませた。


「はー…ちょっとは頭使いなよ」


 三人組が地面と挨拶をしたのを確認してから肩を回して言った。
 呻いただけで起き上がらない三人組。
 それを一瞥してから避難させていた袋を取る。


「俺さー今日朝からご機嫌斜めなんだよね。八つ当たりなら他当たれ」


 じゃ、とこちらを見もしない奴らに手を振って、逆に俺が憂さ晴らし(八つ当たり)をしてしまった帰り道。
 あーもう、腹へった。







『───じゃあ、4時くらいに集合ね』
「おっけー」


 通話の切れた携帯をテーブルに置いて、氷の溶けた緑茶を飲む。
 朝兼昼飯食ってのんびりしていた時に掛かってきた電話は伊織からで、夏祭りの日時と集合時間のお知らせだった。
 伊織から後の三人には連絡してくれるそうで、来たる夏祭りにワクワクしながらぼーっとする。


「……暇だなー」


 課題なし、やることなし。
 ゲームはやりたい気分じゃないし、DVDもいまいち観たいのがない。
 やーるーこーとーねーえ。


「たまにはいっか」


 今日はもう、だらけ日和!けってー。


 


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