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「気になるじゃないっすかー」
「別に、ただ好きだとか付き合ってくれとか言われただけだ」
「で、なんて返したんすか!」
「近い寄るな喚くな。断ったっつの」


 迫る幸丸の顔を肘で押し返しながら、若干引き気味の瀬戸は言いながら溜め息を吐いて。

 いや、なんで俺ちょっとホッとしてんの。意味わからん。
 人間の恋人がいる奴らに囲まれたくないからか。


「告白かあ、いいっスねぇ」
「お前はなさそうだしな」
「ちょ、瀬戸それ失礼っすよ」


 ソファに座り直した幸丸は、ふざけながらも言い放った。


「これでもオレ、彼女いるんすよ!」
「は?」
「ぉふっ」
「マジか!?」
「そうなんだ」


 ふふん、と鼻高々に言った幸丸に瀬戸は固まり、俺はお茶を吹き出しかけ、多貴は素直に驚き。伊織はにこやか。

 つか彼女いるんかい!
 意外だ幸丸。スポーツ恋人っぽい感じなのにまさかの彼女。
 でも、多貴と伊織が付き合ってることに何の抵抗も示さなかったな。


「同じクラスで、ちょっと個性的っスけど可愛くていい子っスよ!」


 今度機会があれば紹介するっス!と幸丸は上機嫌に言った。
 個性的か。幸丸も個性的だけどな。


「でも森くん、部活とか忙しいよね。誰かと居るのあまり見ないし」


 いつからそれを知っているのか、伊織が今までの幸丸を思い出しているように言って。
 よく見てるよな。


「向こうも部活忙しいし、帰りと休みの日は一緒にいるっスよ!家近いし」
「同じ運動系?」


 多貴は気になったのかそう聞くと、幸丸は少し考えるように目を反らして。


「いや、運動じゃないっスね。どっちかっつーと文系?」


 なんで疑問系?


「彼女の部活くらい知っとけ」
「あいたっ」


 へらへらしてる幸丸に対して、呆れたように瀬戸がその後頭部をかるく叩いた。

 いや、知らないというか、言いにくいのか?そんな言いにくい部活ってあったかな。


 


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あきゅろす。
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