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08
 


 ホテル敷地内には温泉はもちろん、小規模ゲームセンター、カラオケ部屋、囲碁将棋、マッサージ(チェアもある)ルーム、本棚(漫画や小説、雑誌)部屋や卓球などの設備が整っていて、なんと温室プールまである。一部(ゲームセンター、プール、マッサージチェアルーム)を除いて夜の9時まで使用可能らしい。


 ぐるりと一通り館内をめぐってスタッフさんは美形たちに見惚れ、俺と幸丸はそんな美形を見ながら感心してみたり。

 てか伊織が私服だからか、確実にスタッフさんは女子生徒だと思ってるっぽい。さっきすれ違い様に「ハーレム羨まー」とか話してたし。

 伊織は可愛いというより綺麗で、多貴はチャラ系で、瀬戸は不良で。なんなのこのバリエーション。


 しかも傍らには爽やかスポーツ男子がいる、俺だけなんもない。個性?甘党ですけどなにか。



「もうすぐ時間だね、このまま待ってる?」


 伊織のお言葉を頂きまして、中央館のフロント近くにいた俺達は端にある待ち合い場みたいなソファとテーブルが置かれたところで待ってることにした。


「バーベキューとか久々じゃんね」


 ふかふかソファで一番寛ぐ多貴が、天井を見上げながら嬉しそうに言って。

 そういえば昔よく一緒にバーベキューしたけど、最近してないなあ。
 こういう大人数もたまには良いかも。


「やっぱバーベキューっつったらキャンプファイアっスね!」
「ファイアは無理だろ」
「瀬戸は夢がねえっす!」
「ちっせぇ夢」
「あからさまに馬鹿にしてるっすね」


 なんだ、瀬戸のご機嫌が斜めってるように見えなくもないんだけど。

 テーブルを挟んで向かいにいる瀬戸は、ソファの背もたれに肘を置いてそこで頬杖をついてる。半分横向き。いや斜め向き?


 俺の隣は幸丸。瀬戸の隣は多貴がいて、多貴と幸丸の斜め前に伊織がいる。
 


「腹へってんの?」
「は?」


 なんとなく思って瀬戸に聞いてみたが、まともな返事をくれず。
 意味わからん。伊織はそれを見て笑ってるし、保護者か。




 

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