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07
 


「おわーっ、すげえっすね!」


 部屋に入った幸丸の第一声が突き抜けた。
 そこはもう普通に泊まったら余裕で料金が十数万はいくような、広々とした室内。

 扉を開けて短い廊下を進むと、奥行きのある広い部屋の奥にこれまた広めのベッド4台が間隔を開けて横に並んでいて、手前には低めのテーブルとそれを挟んで三人用と二人用が一台ずつ向かい合って置かれた柔らかそうなソファ。


 薄型テレビにDVDデッキまであり、いくつかのドアには洗面所や簡易(でも凄い)風呂、トイレがあった。
 テーブルには急須と小さい湯飲みやお茶請けが置かれていて、そこだけ和風なのかと少し可笑しく思いつつも違和感がないのは、空間がどこか落ち着いているからなのかもしれない。


「どっから出るんスかね、こんな金」
「生々しい話に持ち込むなよ…」


 ふかふかソファに身を沈めながら真面目な顔で言ってきた幸丸に、窓側にいた多貴が律儀に突っ込んだ。
 確かに気になるよな、出所。


「とりあえず荷物整理して一息つこうな」


 金の出所は追々然り気無くまっつんに聞くことにしてさ。
 そう言ってから、キャリーバッグからすぐ使うような小物や服を分けておく。
 クローゼットまであるとか凄いよな。














 簡単に早く済ませた荷物整理からソファ座り、多貴がパンフレットやしおりを広げている間にお茶を入れて茶菓子と共に各自の前に置いていく。

 ちなみに茶菓子は饅頭と水羊羹でどっちも小振りなものだった。
 饅頭うまいよ、饅頭。



「夕食までどうする?」


 一通り目を通したあと、伊織が口を開く。
 時間までまだ三時間はあるよ。絶対着くの早すぎたよな。




 てなわけで、五人でホテル内散策ということになりました。
 行きたくなったら寄ろうみたいな感じ。


 


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あきゅろす。
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