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06
 


 それから一通りの説明を終え、各班ごとにルームキーを受け取って一時解散となったわけで。


 17時にエントランス集合。
 部屋に着いたらまず荷物整理をする、しおりやパンフレットに必ず眼を通しておくこと。
 そのほか時間まで自由行動、お風呂も入れたら入ってもよし。ただし海岸に行くので多少砂まみれにはなるということで。



「貸し切りってすごいっすね」
「理事長恐るべしだな」


 幸丸と多貴が、理事長に対する感心を言い合うような会話が後ろから聞こえるんだけど。




 館内パンフレットの見開きには建物の全体図が書かれていて、何の部屋がどこにあるかが分かるようになっている。

 宿泊するホテルは10階建ての横長で、客室のある南館とエントランスのある吹き抜けの中央館、風呂や各小規模施設のある北館が渡り廊下で繋がれている。
 南館と北館の移動は、中央館の吹き抜けを囲うように円形の廊下が各階にある。だから吹き抜けを邪魔することがない。

 廊下の窓はガラスで、7階辺りからシャンデリアとエントランスが見下ろせる。下から見た限りじゃ、シャンデリアがデカくてエントランス見えないっぽいけど。


 客室の南館は、1階から9階まで各13部屋がある。10階は従業員のみ出入りできる場所なんだとか。


「伊織ー、何階?」


 後ろにいたはずの多貴が、これまたでかいエレベーター前で振り返ってた。いつの間に。
 いくつかあるエレベーターの周りには、班ごとに別れた生徒が詰まってる。


「自分の入る部屋くらい覚えてよね」
「伊織と隣で寝ることは覚えてる」
「バカとは寝ません」
「ゴメンナサイ」


 既に尻に敷かれてる多貴。まあ結局隣で寝るんだろうけど。


 俺らが宛がわれた部屋は6階の607号室で、まっつん曰く景色が良い当たり部屋だとか言ってたけど、ホテルの全体写真見る限りじゃ客室のベランダ全部浜辺側なんだよな。
 高さがちょうど良いのか?



「瀬戸は気持ち悪いの治ったか?」
「あ?…まあ」


 隣で無言だった瀬戸は、どうやら落ち着いたみたいだけど元気はあまりないように見えた。



 

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