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04
 


 十五分の休憩を挟んで再び走り出したバスは快調に道を進み、窓から見える景色は都会の町並みから田園の広がる風景へと変わっていた。
 瀬戸は相変わらず乗ってすぐ寝た。すこし違うのは今度は完全に俺の肩に頭を乗せてきていることか。


「貴重映像っスね、写真撮って保存しよっかな」
「バレたら潰されるね」
「望月って然り気無く怖いこと言うっすね」



















 バスに揺られること数時間。海沿いを走っていたバスは、とあるホテルの正面入口前に入っていく。
 窓から見てはいたけど、ここからでもかなりデカイ建物に見える。


「瀬戸、着いた」
「……あぁ…」


 先生がマイクで、エントランスには部屋割りの班ごとに纏まるようにとか説明をしているときに軽く揺すって瀬戸を起こす。
 さっきより顔色は良くなった。


 荷物を持ってバスから降りると、キャリーバッグやボストンバッグを入れていた下の部分が大きく開かれて生徒が荷物を受け取っている。

 最後あたりに荷物を受け取り、忘れ物確認をして出てきたまっつんと一緒にエントランスに入っていく。





「うわ、広っ」


 前にいた幸丸の声に同感。

 そこはとても広々とした綺麗なエントランスで、フロントには理事長と副校長、各クラスの担任がいる。

 天井は吹き抜けでシャンデリアが吊るされ、キラキラと輝いている。
 柔らかそうなソファがいくつも置かれた場所には大きなガラスを嵌め込んだ窓があり、そこから綺麗に整備された中庭のような所が見える。
 全体がどうなってるのかかなり気になる。

 どこぞの高級ホテルみたいな内装に、小さく開いた口がふさがらなかった。



「確かに国内だけど、高そうなホテルだね」
「高校の修学旅行で来る場所じゃねーなー、こりゃ」
「金あるんスね」


 修学旅行って言ったら沖縄とかそんな感じなんだろうけど、金の使い方が違うよな。


 



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あきゅろす。
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