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02
 

 ていうか、結局修学旅行の行き先は国内ってだけで詳しい場所は誰も知らない。いや、運転手と先生達は知ってるはずだけども生徒は知らない。
 なんせ、どこ行くんだって会話がちらほら聞こえているんだから。


 一階の後ろから二番目奥に俺と隣に瀬戸が座り、通路を挟んだ右側に幸丸と話したことない眼鏡を掛けた大人しそうな女子生徒。
 俺らの前の席には伊織と多貴が座る。

 そういえば、蒼司は二階に上がっていったな。…って、なんで考えてんだ。元カレだからとか女か俺は。



「はー、寝よ寝よ」



 通路を歩いてきたまっつんは、髪をかきながら一番後ろにドッカリ腰掛けて溜め息すら吐いてるよ。

 一番後ろは五人掛けの席で、荷物はあるものの広々としている。そんな席には、まっつんとB組の担任花村先生が座る。ちなみに二年の担任で花村先生は紅一点だ。
 保健医が女の先生で仲良しだから良かったとか言ってたとかなんとか。


「まっつん、また花ちゃんに怒られるぞー」
「いーや、膝枕してもらうから」
「しません。どいてください松本先生」


 多貴が茶化すと律儀に返してくれるまっつんだが花ちゃんに怒られて笑うなんて、まさか見た目に反して…とか考えてみたけど、ないな。


「瀬戸寝てんすか?」
「なんで幸丸そんな上機嫌なの」
「気のせいっス気のせい」


 いや本当になんかいつもより元気なんだけど、なんで。なんかあったのかな。ああ修学旅行にテンションが上がってんのかも。
 理由は分からず、そんなこんなでバスガイドさん(男)の声がマイク越しに全体に広がる。
 どうやら二階には別の人がいるらしい。


「みなさんおはようございます。今回バスガイドを務めさせていただく林です。よろしくお願いします」


 爽やかなお兄さんって感じの林さんが、マイク越しとはいえよく通る声で挨拶をすると所々から挨拶が返ってくる。


「えー、今回の修学旅行は二泊三日とのことで、今日はサービスエリアへの寄り道のみで宿泊先のホテルに向かうようですね」


 先日配られた見開きの修学旅行のしおりには、バスで結構時間のかかる場所にホテルがあるらしく、途中で休憩がてらサービスエリアに寄る予定らしい。


 


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