02
「……ねぇ、親衛隊の可能性ってどう?」
早くも昼休み。
最近のお気に入りである屋上に、最近のメンバーである四人で昼飯中、伊織が突然言い出して箸に挟まってた卵焼きがお弁当箱に落下した。
向かいで菓子パンをかじってた瀬戸も、伊織弁当を突いていた多貴も止まってる。
「………親衛隊?」
短い沈黙を破ったのは、意外にも瀬戸だった。さっき開けていたメロンパンは既に半分になってた。
「そう。霧島君のあの容姿からして、確実に付くと思うんだけど」
「あー…、まあ、なくはないよな」
お互いに親衛隊がいる伊織と多貴にとって、どうして親衛隊が結成されるのか、を身に染みて分かっているから出た答え。
確かに、蒼司はいわゆる美形ってやつだし、伊織も多貴も、因みに瀬戸もその部類だ。
多貴は、密かにながら瀬戸にも親衛隊はいるっていつだか聞いた気がするけど。
てか美男子に囲まれてる俺って。
弁当箱に落下した卵焼きを再びつまみ上げて口に運ぶ。
んん、今日はうまく出来てる。
「もう一週間過ぎてるし、接触して来そうじゃない?居れば」
「それで二時間食らうか?」
「だって、あの疲れ様は親衛隊みたいな人達の粘りなら出せそうだし…」
「まーなぁ」
二人は蒼司の親衛隊について語り合っているご様子。俺にはあんまり関係ない話。
てなわけで。
「お前食生活偏りすぎ」
「は?」
とりあえず瀬戸に突っ込んでみた。
そして豆鉄砲喰らった顔をされた。
因みに今はヤキソバパンを頬張ってる。ピザパン、メロンパン、焼きそばパン。
偏ってんなーってずっと思ってたんだよ、俺、マジで。この間から。
お握り五個とサンドイッチ二個だったり、菓子パン八個だったり、よく食うけど何かすげぇ気になってたんだよな。
「弁当作れねぇし、買うの面倒くせぇ」
焼きそばパンの最後の一口を放り込み、瀬戸は小さい牛乳パックを手に取った。
合うのか?
「作ってやろうか?」
「ぐぶ…っ!!」
「うぉっ、ちょ、きたねぇし!」
コイツ思いっきり牛乳吐き出しやがった…!
即座に横向いた事は関心するけど、とりあえず何故そんな焦る?
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