屋上で告白?‐01
それから授業中以外、休み時間は転入生の周りに生徒がわんさか。
ほかのクラスからも来訪してきて、そこだけ何かわちゃわちゃなってた。
それを窓際後ろの俺らは呆れ半分疑問半分で、観察に似たような視線を向けて。
「……上行くか」
「そうだね」
昼休み。
弁当の入った袋を手に立ち上がれば、伊織も多貴も理解して立ち上がる。
ただ一人、瀬戸は意味が理解出来ないのか座ったままだ。
それを見て、瀬戸の机を指で軽く叩く。
「行くぞー」
「は?…あ、おぅ」
後で話す、ってのを思い出したのか、瀬戸は鞄を開けて膨らんだコンビニ袋手に立ち上がった。
「いやー、ビビったね」
「…は?」
「変わってないね」
「そうだなー」
屋上に着くなり端っこまで行き、座る。
向かいに瀬戸、隣に伊織、その向かいに多貴が座った。
「何なんだよ」
痺れを切らしたっぽい瀬戸が、独り言みたいに呟きながら、コンビニ袋からおにぎりを取り出す。
パンかと思った。あ、不良への偏見です。
「瀬戸君には、ちょっとアレだよね」
そこに返事をしたのは伊織で。
アレってなんだ。
「は?」
「うーん、ガンバレよ瀬戸」
「はぁ?」
「ちょい、なにを言ってるんだいお二人さん」
ガンバレってなに。てゆかアレってなに。
疑問を抱きつつ、ふと瀬戸を見れば、目が合って。早く話せ、みたいな顔してた。
何か分かりやすいなコイツ。
「えーと、なんつーか…蒼司は中学が一緒だったんだよ、」
名前呼びした瞬間の瀬戸の目が、何かこう、ギラッってなった。こわ。
「えーっと…」
何か言いづらいな…。
言うに言えず、もにゃもにゃ唸ってたら、隣の伊織に溜息を吐かれ。
見れば伊織と目が合って、小さく口を開いたのに気付いて。
あ、と思ったら。
「蒼司は諒ちんの元カレだよん」
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