20 朝食は、オムレツとソーセージにサラダとスープにバターロール。 朝は母さんが、昼は俺が作るというのが恒例で、両親が俺の作ったご飯を食べたいという願いを叶えるために決まった。 その為に料理作るようにしてると言っても過言はない。だって、美味しいものを食べてほしい。 お陰でレパートリーも増えて、高校男子としては我ながら料理は出来る方だと自負している。 まあ、作ると言っても食事くらいで、スイーツは作るより買うんだけど。それでもいつかは作れるようになりたい。んで、オリジナルを作って自分で食べるのが目標である。 朝食を済ませたら、特にやることも決めていないのでリビングのソファでのんびり。 ソファでは母さんは父さんにくっつき、ラグの上で俺は横向いて瀬戸を背もたれ扱いでくっつき、似た者同士親子の血筋を感じながらテレビで再放送中の映画をBGMに雑談。 「和史くんはアレルギーとか持病は持っているのかい?」 「いや、何もないと思います」 「それは良いね、私は花粉症の気があってね、帰国した時に時期だと大変で」 「杉花粉ですか」 「だったかな、種類があるからね。ずっと海外に居ると忘れてしまうんだ」 そういや結構前に帰国した時がちょうどピークで、父さん箱ティッシュ持ち歩いてたなあ、と思い出す。 俺と母さんは花粉症じゃないけど、見てるだけでも痛々しい。 母さんが父さんの隣からひょこりと顔を出して言った。 「和史ちゃんは食べ物の好き嫌いはあるの?」 「ちゃ…、」 「ぶふっ」 母さんは愛でる相手をちゃん付けするという不思議な癖がある。 打ち解けたいと思っているからこそ出るので愛すべき癖だけど、瀬戸に似合わなすぎて吹き出してしまった。 「…好き嫌いはないと思います。クセが強いやつは苦手ですけど、食べられなくはないし」 「そうなの?じゃあ今度からお土産の中身気にしなくていいわね!」 「え、いや別に…」 「海外には色んなものがあるのよ?配送になっちゃうんだけど、面白いと思ったら教えたくて」 「まあ…そう、すね」 ふむ、どうやら瀬戸はまだ母さんのテンションに慣れないらしい。だよな分かるよ、実子な俺でもたまにびっくりするから。 落ち着こうとしているのか癖なのか、瀬戸はずっと俺の手を弄っている。 たまに引っ掻かれてくすぐったいんだけど、やってること自体可愛いから許す。 [*][#] [戻る] |