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04
 


 常連客じゃなければ確実に緊張するくらい外見が怖い。
 身長が2メートル行くのではないかと思うくらいで、体格も合間って余計に大きく見えてしまう。とりあえず単純に怖いんですけど。

 現れた大柄の男性に対し、父さんは相変わらずな笑顔で片手を挙げて気さくに声を掛けたのでただ驚く。
 そしてその男性に対しても更に驚くのは、父さんが声を掛けた直後である。



「正ちゃん怜ちゃん久しぶりねぇ、ない首を長くして待ってたのよぉ!」
「しばらくだね。大丈夫、首はあるよ」
「先日液晶の向こうで観たわ」
「本当?久しぶりに出たのよぉ!───…あらあなたたち、」



 あまりの衝撃に放心してたせいか、目が合った瞬間に肩が上がって強張る。
 見た目としゃべり方が違いすぎて理解が追い付かないが、それを知ってか知らずか父さんと母さんは「そうそう」とにこやかに返す。



「最後に会ったのはまだ小学生になったばかりだからね、改めて紹介するよ。息子の諒と和史くんだよ」
「……えと、お久しぶりです…」
「…はじめまして」



 さすがの瀬戸でも明らかに引いている。警戒しているというよりは驚愕の方が割合高いんだろうな。
 父さんの紹介で目を見開いた清司さんは、突然「ああ!」と声を張り上げた。
 声が高くてビビった。

 目の前に立った清司さんを見上げる。近距離だと更に大きくて困る。



「諒ちゃん!やだぁイケメンになっちゃってぇ!あの頃は可愛くて女の子みたいだったのにねぇ!」
「……えっと、あんまり覚えてなくてすみません」
「いいのよぉ、ワタシはまた会えただけで嬉しいからぁ!……あら、でもあなたたち息子二人だったかしら」



 俺から目をそらして瀬戸を見る清司さんに、父さんが「ああ、」と嬉しそうに応える。



「諒の恋人なんだ。だから彼も私たちの息子だよ」



 呆気なくバラされた事に気付くのに時間がかかったくらいの自然な言葉に、声すら出せなかった。
 驚いたように俺と瀬戸を交互に見た清司さんは、突然俺らの片手を取り両手で掴み、キラキラと目を輝かせて言った。



「イケメンがイケメン捕まえて恋人!久しぶりに会ってこんな良い話が聞けるなんて吉日ねぇ!日帰りなのが残念だわぁ」
「申し訳ない。3日しか居られないからね」
「次の機会には泊まりにするわね」
「いいのよぉそんな気を使わないで!来てくれてありがとね、あなたたちも」
「は、はい」
「……」



 


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あきゅろす。
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