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04
 


 驚きがおさまらないうちに瀬戸の前にはピザが置かれたが、それも生地は薄いがデカイ。デリバリーピザ屋のLサイズはある。
 しかもそれで600円である。まじかよ。

 次に伊織の前にモンブランがきたが明らかに市販の大きさではない。直径で言えば飲み物の大ジョッキくらいある。けれど安っぽくないモンブランだ。

 そして幸丸と多貴の前にはトーストが。アホみたいに分厚い。0.5斤をナナメにカットされてこんがり焼き目のついたトーストに、バターとジャムとベーコンエッグがついてきた。

 桜井ちゃんは三種のミックスアイスを頼んだのだが、なにこれと思わざるを得ない見た目だった。
 ストロベリー、バニラ、チョコの王道三種のアイスだが、ただの半円ではなく、20センチはある皿にY型に盛られたそれは、高さが10センチ近くある。


 ごゆっくり、という言葉とともに去った従業員を見送り、目の前の商品を見てから全員目を合わせて、吹き出した。



「やべえなにこれ」
「これ食べたらお腹壊しそう」
「トーストとかこれ軽食じゃねーよなー」
「確かにデカイっすね」
「瀬戸くん、それ一人前?」
「……一人前って書いてあったな」



 まさか全部デカイのか、という疑問と、いまテーブルにある商品が全てこのデカさで一番高いのが幸丸と多貴が頼んだトーストでしかし800円という驚きである。
 利益大丈夫かと店側が心配になるレベルである。
 しかし客からすればリーズナブル過ぎて常連になる安さとボリューム。
 こんなとこもあるのかと感心しながら、みんなでいたたきますをして分けあいながら食べた。



 パフェに大満足してゆったり紅茶を飲む。
 桜井ちゃんは幸丸と多貴にアイスを分けていて、味が変わって甘いものと合わせたトーストは美味しかったらしく、全員満足したようだ。


 食べながらクリスマスの予定を決めて、当日は朝早く集まって少し遠出することにした。
 目的地はデート定番スポットのひとつである水族館と、併設している遊園地。
 水族館、というワードについ瀬戸と目を合わせてしまったが、たぶん考えていることは同じだろう。
 言わずもがな蒼司と会長である。
 メインが遊園地な目的地なので同じ場所にいくことはないだろうが、考えてしまうのは仕方ないって。


 


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