二人の関係。‐01
期末試験は無事終わり、冬休みが下旬に控える12月。今年も終わりかあ、なんてしんみりしながらカレンダーを眺めた夜。
急に寒くなってきて、セーターを買ったは良いが間違えてワンサイズ大きいのが手に入ってしまった。
まあ良いか、とシャツの上にセーター、ブレザーを着こんでマフラーを巻いて登校したその日、なぜか1日中いつも以上に瀬戸に凝視された。
変に緊張して「なんだよ」と言えば、瀬戸は俺の手元を見ながら「セーターデカくねえ?」と真顔で言われてサイズ間違えたと言えば鼻で笑われてムカついたのでとりあえずぶっ叩いた。
それから数日。
瀬戸の視線はいつもに増して俺の手元に注がれている。
そんなにおかしいか、とちょっと焦ってたんだけど、特に態度の変化も見られないから気にしなくなった。
そんな一週間の末、金曜日の昼休み。
なぜか俺はまた生徒会室へ会長に呼び出された。
前回の瀬戸との約束(?)もあって、今回は問答無用で瀬戸を連れて行ったら会長は分かりやすく不機嫌になりました。
瀬戸が心配するくらいの事をやらかしている自業自得だから文句は言わせん。
「今度は何なのヘタレ会長」
「ハッ」
「それやめろ。てめぇ笑うな」
大丈夫、瀬戸も会長のヘタレ具合は分かってるから。
そう言ったら会長は弱々しく溜め息を吐いた。どんまい。
二人でソファに座って同じ内容の弁当を食べてたら、やはりというか会長に突っ込まれて軽く経緯を話したらまた溜め息を吐かれた。もう帰ろうかな。
ちなみに前回はデスクにいた会長は、今回向かい側のソファでコーヒーとサンドイッチを手にしている。
ただの昼飯タイムじゃねえか、と突っ込みたかったが、たぶん会長も前回のアレで一緒に食べた方が楽だと判断したんだろう。
だって俺は食べてる間基本的に会長の話聞かないから。
食べ終わってからお茶を飲み一息付いて、「今度は何なの」と聞くと、会長はなぜか瀬戸をチラ見してからまた溜め息。
だから大丈夫だって。
「この間、蒼司と話した」
「へえ」
「……クリスマスの予定を取り付けたが、どこに連れて行ったらいいか決まらない」
「え、」
「ぶふっ」
蒼司と話した、からのクリスマスうんたらに言葉が出なかったが、瀬戸は吹き出した。大丈夫かお前。
瀬戸を睨み付ける会長だが顔がちょっと赤いから迫力がねぇってか照れてんじゃねえよ。
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