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02
 


「え、お前の知り合い?」
「…ん?え、君って、ええ?うっそー」



 俺の瀬戸に対する問い掛けに、夏樹さんがよく分かんないテンションになった。
 なんだよ、と首をかしげると、驚く夏樹さんは瀬戸と隣の男性を見比べて突然笑った。なにこの温度差。



「ふはっ、すごーい!」
「ちょ、なに笑ってんの夏樹さん」



 説明プリーズ。
 瀬戸も混乱しているのか黙っている。



「あー、ごめんごめん。まさか君だったとは。あの違和感はこれだったのかー」
「は?」
「え?」



 何のことだかさっぱり分からず、なぜか瀬戸と同時に呆けた声が出た。
 夏樹さんは笑いながら隣の男性を指差して、「さっきまで話してたの」と言う。



「昔これと付き合ってたときさ、弟君と一回だけ会ったことあるんだよね」
「はあ、?」



 え、弟?
 ばっと隣を見ると瀬戸は訳がわからないと言いたそうなしかめ面。
 ていうかやっぱり夏樹さんの元カレだったのか。なんか見たことあると思った。
 …ん?



「え、夏樹さんこの人、」
「ああ、これあんた覚えてる?瀬戸宗也」
「……さっきからコレコレって失礼じゃないか?」
「あ、ごめーん」



 夏樹さんまったく反省してない。
 ていうか、え、瀬戸に兄貴いたんだ。しかも夏樹さんの元カレって。え、なにこれ。


 元カレって…沢山居ただろうけど、高校時代の元カレって言えば印象が強いのがこの宗也さんだ。
 一時期荒れていた夏樹さんを思い出すと今でも虚しくなる。何も出来なかった小学生の俺にとって、あれは酷く衝撃で。
 なんで今になって?とは思うけれど、そこはお互いに大人になったっていう証しでもあるのかもしれない。
 現に夏樹さんはすっきりした顔をしていて、昔見た暗い目も雰囲気もない。


 しかも普通に会話してるし。

 ていうか兄とか弟とか急過ぎて頭が追い付きません。


 


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