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繋がり。-01
 


 びっくりするくらい心臓がバックバクだった昼休みも終わり、放課後、今日は皆で家で夕飯を食べる事になってるんだけど。



「メール返ってきたー?」
「いやまだー」



 帰り支度をしながら多貴に聞かれた。
 今日の夕飯のことは夏樹さんも知ってるし寧ろ参加するんだけど、今日は昼までだって言ってたからもう家にいるはずなんだがなあ。
 送ったメールは返ってきてない。
 準備しとくって言ってたけど、準備中で気付いてないとか?


 幼馴染みカップルに瀬戸を加え、下駄箱までのんびり歩いているとポケットの中の携帯が震えた。



「───…駅前のパン屋に居るってさ」
「じゃあ合流しようよ」
「ん。買い物もついでに済ませるか」



 買い物してない、なんて泣き顔の顔文字付きだったため、パン屋に行く道でスーパーに寄ることを打って送った。












 ───夕飯の材料を買って、なぜか瀬戸と多貴が荷物を持ってくれている。イケメンか。…イケメンだったわ。
 パン屋の看板が見えたところで、タイミング良く夏樹さんが出てくるのが見えた。



「あ、夏樹さー…んん?」



 手を上げてこっちに居ると知らせようとしたけど、見覚えのある人が一緒に出てきて疑問と違和感が先立った。
 ていうか、あの人…。



「おい、どうし───」



 後ろの訝しげな瀬戸の声が途切れる。
 振り返ると、瀬戸は前を見て、いや夏樹さんともう一人の男性を見て固まっていた。

 夏樹さんが俺らに気付いて手を上げるのを見ていると、隣にいた男性が、瀬戸と同じように目を見開いて少し口を動かしているのに気付く。
 そこでまた違和感を抱いた。
 なんか、似てる。


 会話しながらゆっくり近付いてくる二人。夏樹さんはいつもと変わらない雰囲気だから余計に違和感がある。



「ごめーん、メール気付かなかった」
「いや、大丈夫だけど、夏樹さんこの人───」



 もしかして、という疑問を投げ掛けようとしたとき。



「なに、してんだよ」
「……そっちこそ」



 瀬戸と男性の声に遮られた。
 んん?あれ、なんだろ、これ。
 険悪な声色だけど、なんかこの二人どっか似てるような。



 


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あきゅろす。
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