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05
 

 一通り(加害者側と被害者側)の話が終わり、大体の内容が掴めた。
 とりあえずさっきの罵倒内容が殆どで、被害者側の話としては、学級委員としての用事があって会いに行っていただけで、罵倒される意味が分からないらしい。


 体育祭もそうだけど、様々な行事には必ずクラス会議なるものがあるわけで、そのまとめや決定報告は一貫して各学級委員長が行う。
 主な提出先は生徒会で、生徒会から風紀委員会と教員に回る。行事関係は生徒主体なので、重要事項以外あまり教員は関わらないようになってる。自主性がどうとかで。

 とにかく、学校行事が近づくと必然的に学級委員と生徒会が関わる事になるわけで、それを知らないわけじゃないはず。
 話を聞いていれば、彼(女)らは2年と3年の生徒会親衛隊らしい。
 なら尚更、その事を知ってるはずだ。


 風紀長もそう思ったようで、呆れたような溜め息を吐いていた。



「で、仁科君はなんでー?」
「へ?」



 疲れてんなーと風紀長を見ていたら、不意に投げられた問い掛けにアホみたいな声が出てしまった。やってしまった。



「なんで居たのかなーって」
「あぁ…、平手打ちされそうになったの見て見ぬフリ出来なくて、体が勝手に」



 なんて笑ったら、仁科君かっこいー、とか言われた。なんかやだ。



「本当に巻き込まれただけなのか」
「巻き込まれた、というか首を突っ込んでしまったというか」



 風紀長の言葉に苦笑いで返したら、何やってんだお前は、という目をされてしまった。
 えー、なんか意外な表情。
 じゃなくて。



「いや、ほんと、ややこしくしちゃったみたいで。すみません」
「大事にならなかったのだから別に構わんが、風紀を呼ぶなり考えなかったのか」
「いや、連絡先知らないんで」
「え、そうなの?」



 そうなのって、俺風紀と関わりないし、風紀の知り合いとかいないし。
 なんて思いつつ、そうです、と答えたら、なんと風紀専用ダイヤルなるものがある事を教えてくれました。



「専用ダイヤルって、」
「生徒手帳の最後に直通電話番号一覧あるでしょー?」
「え、」



 慌てて生徒手帳を取り出して最後のページを捲ると、学校連絡先、生徒会室、風紀室、風紀緊急連絡先などの一覧が載ってました。



「知らんかった…」



 その一言に、風紀長には溜め息、日暮君には大笑いをいただきました。
 だって使わないんだもん!






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