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03
 

 あいつ本当ふざけんな、とかぶつぶつ言ってる伊織の黒さが漏れ出て瀬戸と幸丸が若干引いてるんですけど怖いから本当に。


 あれなー、巻き込まれ体質ってか巻き込み体質っていうかどっちもあるんじゃないかとか思うけども、そんな警戒しなくてもいいんでねーの、なんて考えてたら、それを察したように伊織と目があった。


 そして笑顔一発。



「諒、そうやって甘やかすから襲われるんだよ?」
「ちょッ、」
「えっ」
「ぶっ」
「あ、」



 伊織の言葉に焦った俺。
 驚いて固まった幸丸。
 お茶を吹き出した瀬戸。
 それを見て思わずと声が出た多貴。



 てゆうかマジで怖いんだけど。考えてること分かるのかマジでかおい。
 いやいやその前に。



「襲われてないから!」
「部屋で押し倒されてたでしょ」
「あれは…っ、事故!事故です!」
「ふうん、へえ、そう」
「オレらが来なかったらどうなってたんだろーね諒ちん」
「やめて言わないでごめんなさい」



 そんな追い詰めないで下さい。
 なんなの本当にどうしたのそんな嫌いなのキミら。
 爽やかに穏やかに笑顔だけど絶対わざとだろそれ!



「仁科、襲われたんすか…」
「……」
「いやちが…っ、つか瀬戸なんだその目は!」
「……べつに。」



 いやいや明らかに不機嫌ですよね!?



「諒の無防備加減に焦れて煽られたんじゃないの?」
「なにそれ!?」



 意味が分からない!!


 とにかくアレは事故で何にも無かったし、タイミング良いのか悪いのか二人が遊びに来て、なぜか舌打ちした蒼司に多貴が「天誅!」とか何とか言ってベッドから蹴り落としたわけで。

 いや、うん、蒼司に「何でそんな無防備なの襲うよ」とか言われてからあの状態になるまで秒殺だったとか、図ったように二人が来たとか確かに記憶に残ってますけども。



「何にも無かったんだし、あれはあれで決着済んだじゃん!」



 なんかもう必死になって言っちゃったけど、そーだねー、なんて二人して棒読みされてしまった。酷い。
 そんなとこまで仲の良さを披露しないでほしい。俺が寂しいわ。



「で、なんでお前はそんな極悪人みたいなツラしてんの」
「悪かったな極悪人面で」
「……」



 っ、もぉぉぉ!!なにこの子!イラッとしたよ!
 そしてなぜ三人して溜め息吐いたよ!?
 泣くよ!?ねぇ俺泣くよ!?


 

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