02
ハイテンションな実況放送の中、風船玉入れは一位がD組赤、二位が俺らのいるA組黄、三位はC組緑、四位がB組青という結果に。
出だしはまずまずといった所。
各競技の得点は、一位200、二位100、三位50、四位は0点。
色別対抗リレーに関しては、一位を獲れたら得点二倍。
そして教員リレーは色別担当教員で競う。しかも得点が三倍。教員リレーは競技のトリでもあるから、各色組の期待というプレッシャーの中で500メートル走らなきゃならない。
ちなみにまっつんはA組担当。がんばれ。
『風船玉入れの参加選手、お疲れさまでしたー。やっぱ高校になると玉入れがスムーズですねえ。───では続きまして、二人三脚の参加選手は入場門までお願いします』
そんな鈴木の放送に若干苦笑の雰囲気が漂う中、二人三脚の出場生徒である伊織が「いってくるね」と言いながら立ち上がる。
「あー、一緒に出たかったー」
「二人なら確実に一位だろうな」
伊織を見送りながら隣で項垂れる多貴に苦笑い。
息ぴったりだからなー。
「でもミニバス一緒っすよね」
「流石に二種目とも一緒じゃ駄目だとか、まっつん去年は許したくせに」
むすっと頬杖をついて前を見る多貴。
去年はなー、一緒にやってた。
その結果まあ二人の相思相愛具合に他の生徒が悲鳴上げたり一気にファンが増えたり、なんか色々あって、まっつんが砂吐く勢いで苦々しく今年は別々の競技に出ろとため息混じりに言ってた。
妥協して一種目は別々に、ということでミニバスだけになったけど。
どんだけ二人が一緒にやるのが嫌なんだ、と思ったけど、去年の騒ぎようは耳を塞ぎたくなるくらいだ。
今年は少しくらい落ち着くんじゃないかとは言ったんだけど、今年の一年が騒ぐからとの対策案らしい。まじでどんだけ人気なんだあのカップル。
「この学校で認知度高いんだし、去年はあれで二人とも生徒に言い寄られたから大変だったろ?」
「どんだけすげぇんだよお前ら…」
「言い寄られたんすね…」
唸る多貴を慰めつつ、呆れと驚きを表す瀬戸と幸丸に、やっぱり苦笑いするしかなかった俺。
[*][#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!