改めまして、体育祭開催。-01
『それではこれより競技に入ります。───風船玉入れの参加選手は指定の位置へ移動してください』
先ほどの紹介時と打って変わったまともな進行に不意をつかれ、幸丸に肩をつつかれてはっとした。
そういや俺も参加者じゃん。
他の参加生徒に混じり、急いで指定の簡易入場門へ向かう。
『それでは競技の説明をします』
ふざけなければ聞き取りやすい声で、進行役の鈴木が説明を始めた。
風船玉入れは、従来の玉入れとは違って網の下に風船を入れ、玉の重さで下がった風船がその下にある針に刺さり割れた時点で勝敗が決まる。
最初に割れば一位、最後に割れば四位。
最下位にはポイントが入らない。
風船以外は通常の玉入れと同じで、規制線外から玉を放ること。規制線内に一人でも入った時点で、その組は失格、最下位となる。
玉の数はカウントしないが、とにかく網に玉を入れて風船を割れば良いわけか。
数で競うのも一興だったけど、風船は風船で面白い。
四脚ある玉入れの高いカゴは、倒れないように固定されている。その回りには大量の四色の玉が散乱。
遠くに飛んでいく可能性は確実なので近くに教員がスタンバイしてる。
カゴの周囲二メートルには規制線としてぐるりとビニールヒモが囲み、その外側から玉入れ。
数を競うわけではないものの、本来の玉入れと同じでスピードも問われる競技。
基本的に背の低い女子には命中率が重要視される。
『きれいに四色に別れました所で───いざ、開戦です!』
競技用ピストルを掲げた教員が、進行役鈴木くんの指示で開戦を告げた。
『───どのカゴにもイイ感じに玉が入っていきます!ぽんぽん入る!命中率が高すぎて恐い!風船が!風船が!どこが先に割れるか!来るか来るか来るかあぁぁぁ!?』
‐パァン!
『きたぁあぁぁあ!一位先取赤!赤がキメました!先生のドヤ顔が!───おぉっとぉ!黄色割れたぁあぁ!二位ですおめでとうございまぁあぁぁ!』
やばい実況うっせえ。
さっきまでの冷静さカムバック。
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