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03
 

「異種目って今年なんだろーな」


 瀬戸を見ながらニヤニヤして多貴が言うと、携帯を弄っていた幸丸が顔を上げる。


「なんか、今年は今までと違うらしいっすよ」


 さらり、と言った幸丸だが、決して実行委員ではない。
 なんで知ってんのお前。
 そんな疑問をそのまま告げると、幸丸は困ったように笑った。


「実行委員会に友達が居るんすよ、そいつから自慢気に言われたんすけど」
「詳しくは教えてくれなかったんだ」
「まあ、そうっすね。…ちょっと関わりたくないタイプなんすけど、イイ奴ではある」


 いやいや友達って言っておきながら関わりたくないタイプって。それ言っちゃうんだ。


「なんて言ったらいいんすかね、テンションがついていけないっつーか…」
「……」


 結構明るい性格な幸丸ですら、その友達のテンションに着いていけないとか、そいつの人物像がやばいことになりそう。


「当日は進行役みたいなんで競技には参加しないらしいっすけど、まあ、見れば分かるっす」


 そう言って苦笑した幸丸。
 その隣で、何故か瀬戸は頭を抱えてた。
 え、なに。


「どした」
「……嫌な予感しかねぇ」


 瀬戸が弱気だ。

















 そんなこんなで当日までの約2週間、合同集会やら練習やらで時間は過ぎていき、全校生徒と教員が気になっている異種目競走に出る生徒たちは、一体どんな異種目なのか不安と期待が8対2ってとこか。
 今まではどっかの運動会とかで見たことあるような競技だったけど、そんな今までとは違うらしい異種目にちょっと興味はある。


 南ヶ丘の不良代表みたいな立場の瀬戸が参加するとあって、その話題も尽きない。
 どんだけ有名なんだあいつは。


 因みに俺の参加競技は借り物と風船玉入れ。
 多貴は色別リレー、ミニバス。
 伊織は二人三脚とミニバス。
 幸丸は騎馬戦と色別リレー。
 瀬戸は異種目とミニサッカー。

 嬉々として騎馬戦に立候補した幸丸は勇者だと思う。毎年すげぇから。乱闘戦だからあれは。


 色別リレーに関しては足が速い生徒が自動的に組み込まれる。多貴はまあ分かるけど幸丸足速いんだな。サッカー部でも優位そうだ。



 


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