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03
 

「───もうすぐ夏休みっすね!」


 そう言った幸丸の顔と言ったら、もうキッラキラのワクワクを抑えきれてない少年のようだった。
 いや、まあ、夏休みね。そりゃあもう楽しみで楽しみで仕方ない。


 あ、そういえばテスト返ってきました。
 いやー、多貴頑張った。頑張ったよあの子凄いよ。てか愛の力すげぇ。

 学年順位では、伊織が1位。多貴が2位。瀬戸は8位で上がってやがった畜生不良のくせに。
 幸丸は26位。なんと前回より10位も昇格したらしい。なにこいつすごい。
 そういえば蒼司は10位くらい。あいつ絶対手ぇ抜いた。
 ちなみに俺は5位でした。
 なんかもう仲良くしてる奴らが上位に居すぎてやばい。なんなの毎回1位って。2位って。
 そんな奴らと一緒に勉強してると自然と順位が上がるらしい。神か。


「夏休み遊びませんか!」


 幸丸が子犬に見えるやばい。振られまくる尻尾が。幻覚か疲れてんのかな。


「幸丸よ。さっさと課題終わらせて思う存分戯れようではないかー」
「戯れとか何か卑猥っすね」
「なんだと!遊ばねぇぞ」
「ひどい!」


 何が酷いって、俺のテンションが一番酷いと思うそこ突っ込んでほしかった。
 俺だって!俺だって夏休み楽しみなんだからな!
 あ、あの喫茶店行こう。甘味不足。糖分が足りない。


「課題かぁ…夏休みの課題って地獄っすね」


 一気にテンションが降下した幸丸は深い深い溜め息。


「それを最初に終わらせてしまえば後は天国だ、幸丸!一緒に終わらせようぜー」
「仁科…!」


 がしっと両手を包まれて、歓喜の眼差しを向けられた。子犬だ。犬属性か。


「なにやってんだお前ら…」


 そこで横から呆れた声。
 若干引き気味の強面不良もどきが弁当片手にそんな事を言ってきて。


「何って友情深めてんだよ」
「嫉妬っすか瀬戸」
「あ゙ぁ?」
「見る目あるね森くん」
「中々やるなぁ」
「お前らちょっと黙れ」


 そんなこんなで美味しくご飯いただきました。まる。



 


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あきゅろす。
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