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02
 

「だから嫌だったのに…」
「うん?」


 はあ、と屋上に来て何度目かの溜め息を吐いた伊織は、なぜだかよく分からん事を呟きました。


「あいつ絶対余計な事引っ張ってくるから、だから近づいてほしくなかったのに」
「……」


 あいつって。
 ちょ、口悪いっす伊織さん。そんなとこも素敵だけど。


「てか仁科って霧島と付き合ってたんすね」


 おうっふ。
 しまったしくったやらかした。いやべつに困らないけど、そういや幸丸知らなかったんだった。
 本人はその事実で今回の事が繋がったらしく、なんか納得してるけど良いのかそれで。良いのか幸丸お前ノーマルだろ。
 偏見ないのは見てて分かるけど。幼馴染みカップルに対しても特に何を抱いたわけじゃないっぽいし。
 なんか、イイヤツだな、幸丸。


「てゆか、余計な事引っ張ってくるって、なに」


 そんなやつだっけ?と思いながらも伊織に説明を求めてみる。


「だって、中学の時だって霧島君関係で散々面倒なことあったでしょ。気付かなかったの?」


 中学んとき?
 ……、……。


「……あ、あー…うん、ああ、はいはい。思い出した」


 ぽん、と掌に拳を乗っけて。

 そういえば蒼司は何でか面倒事を引き寄せるというか、巻き込まれ体質みたいなところがあったような。
 付き合ってた頃は男女問わず関係あったりなかったりなよくわからない事に良く巻き込まれて、それで何度かとばっちり受けた気がする。
 いかんせんアイツの愛情表現のせいで印象深く残らなかったのかも。

 てか面倒事って。
 生徒会関係は確かに一年の時からあれやこれや噂もあったし、親衛隊とかある会長は生徒会入る前から噂が絶えないらしかったし。
 生徒会役員に関わるなってのは、どっか暗黙の了解だったんだろうな。
 興味なさすぎて意識すらしてなかったや。そうなると自然と関わらなくて済むみたいだ。びっくり。
 そんな生徒会役員に短期間で関わらざるを得なくなったらしい蒼司は、確かに生粋の巻き込まれ体質なのかも。
 逃げても意味がなかったって言ってたし。
 生徒会役員恐い。




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あきゅろす。
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